厚生労働省は24日、障害者に対する虐待の実態を把握する調査の最新の結果を公表した。
昨年度(2021年度)の1年間に、障害福祉サービスの職員や親族などから虐待を受けた障害者は2960人。前年度から295人増えて過去最多を更新した。
このうち、障害福祉サービスの職員から虐待を受けたのは956人。被害者の障害種別をみると(重複あり)、知的障害が72.9%と圧倒的に多かった。このほか、身体障害が16.5%、精神障害が15.3%、発達障害が6.1%となっている。
この調査は、全国の自治体からの報告を厚労省が取りまとめたもの。今回の結果を踏まえ厚労省は、「社会的に障害者虐待への対応の重要性が広まってきたことで発覚につながっている。再発防止に取り組むことが大切で、引き続き力を入れていきたい」としている。
加害者となった障害福祉サービスの職員は、男性が69.0%、女性が31.0%。虐待の発生要因では今回も、
○ 教育・知識・介護技術に関する問題=64.5%
○ 職員のストレスや感情コントロールの問題=54.8%
○ 倫理観や理念の欠如=50.0%
などが目立っている。
また、昨年度の1年間に同居する親族などから虐待を受けた障害者は2004人にのぼっていた。
障害福祉サービスの職員が加害者のケースも含め、自治体へ相談・通報があったのは計1万545件。初めて1万件を超えた。
提供元:介護のニュースサイトJoint