父の病気に手術、そして認知症…ひとりで育児しながら介護同居がスタートして【体験談】

父の病気に手術、そして認知症…ひとりで育児しながら介護同居がスタートして【体験談】
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介護施設や自宅での介護、介護について調べたり、介護を考えるきっかけになったことなどの体験談、マンガ記事をお届けします。

父の病気に手術、そして認知症…ひとりで育児しながら介護同居がスタートして【体験談】

私は、認知症の父の介護を経験しました。私には年の離れた上の兄弟がいますが、近所に住んでいないこともあり、手助けはありませんでした。そんな私のお話を紹介します。

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病気で倒れた父

父が間質性肺炎で倒れて生死をさまよい、意識は取り戻しましたが3カ月の入院を余儀なくされました。入院中は母が付き添い、私は仕事をしながら車で1時間ほど離れている実家に行き、犬の餌やりや仏壇の世話をしました。

その後、無事に退院したのですが、心臓が悪いことが判明。大きな総合病院に転院し、カテーテルの手術をしました。その病院までは車で2時間かかり、2日に1度は顔を出しながらさらに別方向の実家まで通う日々でした。

やっと退院して普段の生活に戻り、しばらくしてから私の妊娠が判明。その後、長女を出産しました。父の病気の後だった上に実家の環境も悪いので、里帰りせずにひとりで子育てをしました。夫は仕事が忙しく、なかなか頼れませんでした。

手術後、今度は認知症に…

ある日、「お父さんの様子がおかしい」と母から電話が入りました。すぐに病院に連れて行くように伝えると、後にアルツハイマー型認知症とわかりました。たまに言ったことや自分がしたことがわからなくなる程度で、しっかりしていることも多々あり、このころはそこまで進行していなかったのです。

それから両親の面倒を見るために家を建て、引っ越し後に同居が始まりました。もともと腰が悪い父は徘徊(はいかい)の心配はなく、あれだけ嫌がっていたデイサービスも週3回ほど通い、そこでお風呂に入ってくるように。役所や介護スタッフのおかげで、そこまで大変な思いをせずに済みました。

その後、父は尿漏れをするようになり、おむつをはくように促すも嫌がるため、尿取りパットを付けるように。取り付けも父が自分でできるので、特に気にしていませんでした。そのうち入れ歯になり、それも自分で管理していました。

しかし、そのうち母がきちんと父を見ていないことが増えました。あからさまにいら立っているようにも見えたのです。さらに、父は5分以内に1回、トイレに行くように。誰かがトイレに入っていて父が入れなくなると、外に出て周辺で用を足すようになったのです。

夜中に悲劇が!

その日の夜中、母の怒鳴り声で起きました。リビング、洗面所、キッチン、玄関がトイレの下水で水浸しになっていたのです。急いで夫と下水を玄関から外に出し、床を消毒しました。

この前にも何度かあったのですが、ここまでひどいのは初めてでした。その間も母は手伝うことなく、トイレの詰まりの原因をつくった父を責めるだけでした。

まとめ

そんな父が亡くなってから7年後、今度は私が母の介護をするようになりました。これまで介護する側だったり、介護を受ける家族の姿を間近で見てきたりと、大変な思いも不快に思うこともたくさんありましたが、今までの経験をこれからに生かしたいと思います。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)

2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

取材・文/矢野千莉

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