いわゆる「墓じまい」をおこないました。私が独身で今後も子どもができそうにないため、数年前から課題になっていましたが、結論を出せてスッキリしています。そんな私の体験談です。
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遠方にある墓は管理しにくい
実家の近くに先祖代々がお世話になっている寺院があり、その敷地内の墓地にわが家の墓があります。私も小さいころから何回もお参りしている墓です。なじみのある場所ですが、私が実家を出て遠方で暮らし始めると数年おきにしか行かなくなりました。
しかし両親が高齢になると、墓の草むしりなどの作業で実家から呼ばれることもあり、自宅と実家の往復に負担を感じていました。墓地の通路は寺院が草むしりなどをしてくれますが、墓の区画内は個別に管理することになっています。雑草が増えすぎたりすると見た目が悪いだけではなく、近隣の迷惑になります。
両親と住職の説得
両親が高齢で、私も独身で子どもは期待できないので、墓がこのままではいけないと考えていました。ひとまず両親が他界するまではこのままでもいいかなと思いましたが、私の健康もいつどうなるかわかりません。仕事もあって、たびたび帰省はできない状況です。
私の考えを親に話すと、渋っている様子でしたが納得してくれました。寺院の住職の説得は苦労しそうだなと思っていましたが、高齢化社会のためか墓じまいを選ぶ家庭は珍しくないようで、トラブルにならずに解決しました。それでも住職との最初の打ち合わせから結論まで約2年かかりましたが、結論を急がなかったのがよかったみたいです。
永代供養を選択
関係者の説得ができれば、あとは遺骨を移す場所の決定です。個人的には散骨(火葬した後の焼骨を粉末状にし、海、空、山中などにまく葬送方法)が有力な選択肢でしたが、お参りできる場所が欲しいという両親の要望で、永代供養(霊園や寺院が永年に渡って墓の維持管理と供養をしてくれる埋葬方法)の墓を探しました。
幸い、都市部には選択肢が多く、料金面で納得できる墓地が見つかりました。一定期間が過ぎると個別の墓から合葬墓(骨壷から遺骨を取り出して他の人の遺骨と一緒に供養すること)に移されるシステムですが問題はありません。遺骨の移転には行政上の手続きが必要ですが、新しい墓のスタッフがサポートしてくれたので難しいことはありませんでした。
古い墓を閉じる儀式や新しい墓での儀式などいろいろ法要がありますが、始まってしまえばすぐに終わります。渋っていた両親も「都会のきれいな墓も悪くない」と喜んでいます。大きな課題が解決できて、私も肩の荷が下りた気がしました。
まとめ
後継者がいないなどの理由で、墓じまいを考える話はよく聞いていました。対応策を調べたり時間をかけて説得したりするためにも、早めに動くことが大切だと感じます。私の場合は話がスムーズに進みましたが、それでも短期の解決は難しかっただろうと思います。最善の結果を得るためにも、ひとまず調べてみるのが得策だと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/山本次郎