老健施設の経営者らで組織する全国老人保健施設協会が28日に会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ現場の対策を強化して欲しいと訴えた。
悲惨な状況の欧米のようにならないとも限らない − 。そう警鐘を鳴らした。
欧米では“介護崩壊”と呼ぶべき深刻な事態が相次いでいるようだ。 AFP通信は24日の日本語版で、欧州では死者の半数を介護施設の高齢者が占めている国があると報道。WHO高官の見解を引用する形で、「想像を絶する人類の悲劇」が起きていると伝えた。
またBBCは17日の日本語版で、米ニュージャージー州の介護施設で17人もの遺体が放置されているのが見つかったとする記事を配信。NHK NEWS WEBもこれを取り上げ、「対応が追いつかなくなっている」と指摘した。 全老健の平川博之副会長は28日の会見で、「とても他人事とは思えない」と危機感をあらわにした。
日本の介護施設の現状について、「諸外国と比べて死者数が少ないのは現場の職員のおかげだ。彼らが懸命に感染拡大を防いでいることが大きい」と説明。「介護現場の声はなかなか聞いてもらえないが、彼らは本当に頑張っている」と強調した。
そのうえで、「できる限りの対策を必死に行っているが、それも長く続けば厳しくなる。人手不足もあってギリギリの状況」と問題を提起。「介護施設の努力だけでは防ぎきれない」と述べ、国に対策の強化を求めた。