
娘が生まれて初めて夫の実家を訪ねたときのことです。義父が娘の顔をのぞき込み、思わず発した言葉は、「このヤロー」でした。
★関連記事:「会社行かないで…?大丈夫だよ」愛犬のまさかの行動に涙…限界だった私を支えた姿とは【体験談】
孫にまさかの暴言!?
その瞬間、私は耳を疑いました。まだ赤ちゃんの、私にとっては何よりも愛おしい娘に対して、「このヤロー」だなんて……。驚きと戸惑い、そして少しの怒りが胸に広がったのを覚えています。
意味が違う?
けれど、時がたち、義実家でのやりとりに慣れてくるにつれて、次第に気付いたのです。義父の「このヤロー」には、私が知っているような攻撃的な意味合いはまったくないのだと。むしろ、強い愛情や親しみを込めた言い方であることがわかってきました。
義実家は東北地方の農村地帯にあり、夫の家族は代々農業を営んでいます。一方、私は首都圏出身で、父は芸術の道に生きてきた人でした。育った環境も文化も、まるで違うのです。
照れ隠しだった
最初は義父の言葉に対し、「どうしてそんな言い方を?」と不快に思っていましたが、今ではそれが、その地域特有の“照れ隠し”の表現であると理解しています。
一時は義父のことを受け入れられないと感じた私も、今ではあの言葉を聞くたびに、地域や家庭によって言葉の意味がいかに変わるのかを実感しています。
まとめ
“所変われば品変わる”とはまさにこのこと。言葉の奥にある気持ちを知ることで、見えてくる世界もあるのだと学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:植野あつこ/60代女性・主婦
イラスト/sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
★関連記事:老人ホームへの入所を渋る母…言葉巧みに説得を試みたものの #母の認知症介護日記 202