おばあさまがグループホームに入居されたS.M.さん。急な病気などのときには毎月の支払い以外の出費もあるので、余裕のある金銭計画が必要だと話します。
長く世話になる施設だから、見学時にはスタッフの言動をしっかりチェックすべき
【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>グループホーム
<入居年齢>60代
<介護度>要介護4
<入居期間>2008年10月頃~2013年5月頃
<居住地域>石川県
<話を聞いたかた>孫
入居者との関係
同じ市内に住んでいた父方の祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
脳内出血で倒れ、言語障害・片手と片足が動かないなどの症状がありました。
入居を決めた時期と理由
祖父が亡くなり、仕事をしながら私たちが介護することが難しくなったため、家族内で話し合い、入所を決めました。
当初、脳内出血で倒れて入院していた祖母は、退院してから1年程、自宅で祖父と母、孫の私の介護を中心に、訪問看護とリハビリを受けていました。しかし、家族による排泄・入浴・食事の世話なども難しくなってきたこともあって、最初は地元の別の施設へ入居しました。
私が仕事を辞めて介護をするという話もありましたが、祖母の状態を考えると難しいという結論になりました。
入所希望者が多いことや祖母の状態では1年ほどしか入所できないと言われたため、別のグループホームへの入所を申請、数カ月ほど待ってから入所となりました。
施設の探し方
ケガをきっかけに病院に入院、さらに老齢者を専門的に扱う病院に入院する段階で、特別養護老人ホームの入居を申し込み順番待ちをしていました。
当時は役所を通じて申し込み、順番待ちをするシステムでした。
病院での入院が長くなったことから、すでに順番としてはトップでしたが、以前紹介された施設は、私たち親族が訪ねるには遠かったので断りました。
その後、親族が訪ねて行きやすい場所にある施設を紹介してもらえたので、そこに入居することに決めました。
入居の手続き、ステップ
入所希望の施設を選び、入所希望の書類を提出しました。しばらくして「申請は通ったが、まだ空きがないので入所できるまで数カ月間待ってほしい」と連絡がありました。退所予定の方がいたようです。
祖母を連れて改めて施設の見学と挨拶をし、手続きをして入所日を待ちました。部屋は相部屋だったため、タンスなども小さく、荷物はそれほど多く入りませんでしたから、最低限の必要な荷物だけを持って、車椅子で入居しました。
入居して良かったこと
入所後はきちんと専門的な知識のもとで毎日リハビリをしてもらえるようになったこと、規則正しい生活を送れるようになったこと、24時間ずっと見ていてくれる人がいたことなどが良かったです。自宅介護の場合、眠っている短時間ではありますが、どうしても祖母を一人にしておかなければいけないこともあって、心配でした。
また、介護をしていた側も精神的な解放感と肉体的な疲労が回復したように感じます。祖母のことは大事に思っていましたが、やはり人間ですので毎日仕事と介護の両方を行うのは非常に忍耐がいることでした。
入居して大変だったこと
大変だと感じたことの一つは入所費用です。祖母が受け取っていた年金だけでは毎月の支払いにはとても足りませんでした。私の収入の一部も入所費用へまわすこともあったので、その分、生活に皺寄せがきていました。
また、施設のスタッフの言動にも問題があり、何度かトラブルが起き、祖母とスタッフとの関係がうまくいかないことがあって、スタッフと話し合いの場をもったこともありました。
また、相部屋の入居者のひとりが祖母の持ち物を勝手に持っていったり、使用したりされたことも困りました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設に入所希望を出す前に複数の施設を見学、話を聞いてみるなどしてみたほうが良いと思います。
もちろん見学をしても入所後に問題が起きるケースもありますから、スタッフの言動、特に電話や実際に接した時の様子はしっかりチェックしておくべきだと思います。長くお世話になる場所なので、とても重要な部分です。
また、費用面も毎月きちんと支払うことができるかを考えておく必要があります。急な病気などのときには毎月の支払い以外の出費もありますから、ある程度、余裕のある金銭計画が必要だと思います。