老人ホームの相談事例<母93歳、息子65歳が一緒に入居できる老人ホームを月額予算60万円で探してほしい>【老人ホームの選び方 vol13】

こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。

老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。

しかし、希望の老人ホームが見つかったとしても、入居後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。

「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。

ぜひ参考になさってください。

1.母93歳、息子65歳が一緒に入居できる老人ホームを月額予算60万円で探してほしい

1-1 入居対象者の状況

<性別>母と息子

<年齢>母:93歳、次男:65歳

<介護保険>母:要介護1、次男:申請中

<認知症>母:あり。短期記憶障害 次男:なし

<必要な医療行為>母、次男ともなし

<既往症>母:高血圧、高脂血症、イレウス 次男:統合失調症

1-2 相談内容

対象者(母)の長男の奥さまよりの相談です。

今回、老人ホームを探されているお母さまは次男のかたと二人暮らし。最近足腰が弱ってこの2年ほどは外出することなく、次男さまのサポート、訪問介護を利用しながら過ごされています。

また、次男さまは学生時代に統合失調症を発症、精神的に不安定な部分はありますが、日常生活においては大きな問題はなく、公共交通機関を利用して精神病院にも通院されていました。

そんなとき、お母さまが夜間にトイレに行く際転倒、大事には至りませんでしたが、ご自宅での生活は厳しいのではないかと、ご家族での検討が始まりました。

長く支え合って来られたことで、お互いの依存度が高いため、以下の三つの条件が叶う老人ホームを探すことになりました。

・二部屋以上空室があること

・二人同時に入所できること

・次男さまがかかりつけの精神病院に通院できること

また、ご長男の住まれている地域から気軽に会いに行ける地域で、二人で月額60万円程度の予算も提示されました。

親子で一緒に入所できる老人ホームがあるかについても心配されていました。

1-3 私の対応

早速、ご希望の「親子一緒に入居できる」という条件を、数軒の老人ホームに問い合わせたところ、どのホームも「過去に親子で入所したケースはないが親子での入居も可能であるという回答でした。

私が気になったのは次男さまの年齢です。65歳というと老人ホームではかなり若いゾーンになりますから、老人ホーム側が受け入れ可能か、何よりご本人が入居に対して抵抗がないかについても確認しました。

その点はクリアできたのですが、どのホームも昨今のコロナ禍において、通院とはいえ、不特定多数の人と接触する公共交通機関を利用しての外出は許可できないというのです。

そこで次男さまのかかりつけの病院には候補の老人ホームへの訪問診療が可能か、老人ホームには訪問診療の受け入れが可能かを確認し、候補を2軒に絞って見学していただきました。

もちろん次男さまご本人にも訪問診療となる旨をお伝えし了承していただきました。

その結果、小規模で目が行き届きやすく、転倒などに対する見守りも充実し、お母さまと次男さまが同じ日に同じフロアに入所できるという老人ホームへの入所が決まりました。

入所後に、老人ホームの担当者から、「親子での入所はホームとしても初めてでしたが、お二人とも穏やかに過ごされている」との報告を受けました。

1-4 今回の事例のポイント

・親子での老人ホーム入所した実績があるホームはとても少ないが、「親子」が受け入れできない要件にはならない。

・精神疾患に限らず、入所後の通院が難しい場合は、訪問診療に切り替えることも検討する。

・精神科の訪問診療を行っている病院やクリニックの数が少ないので、地域によっては無理なケースもある。

2.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は親子同時に入所、精神科の訪問診療が必要という珍しい事例を紹介しました。老人ホームに入るには難しいと思うような条件でも専門家に相談いただくことで回避できることもあります。

ダメだと諦めず、経験豊富な専門家に相談することをお勧めします。

次回も、実際の老人ホームの相談事例を基に解説する予定です。

老人ホームの選び方(介護カレンダー)

記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー

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