
転居してから1年半。なかなか「ここだ」と思える美容室に出会えずにいましたが、ようやく気になっていたサロンへ足を運ぶことにした日のことです。ネットの評価に少し不安を抱えつつも、自分の目でたしかめてみようと思ったその体験が、思いがけず心に残る時間となりました。
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静かな店長と始まった施術
首都圏の人気エリアで経験を積んだスタイリストが開いたお店と聞き、前から気になっていた美容室。ただ、ネットの評価があまりよくなかったこともあり、予約を入れるまで少し迷いました。
当日、席へ案内してくれたのは寡黙な店長Aさん。必要以上の会話はなく、施術の確認だけが淡々と進みます。しかし、こちらが見せたヘアスタイルの画像だけで意図を理解してくれて、前髪の長さやカラーの色合いも細かく要望をくみ取ってくれました。
ハサミが動くたび、鏡の中で少しずつ変化していく自分の髪。クセを生かしながら絶妙な長さに整えていく様子に、思わず表情がゆるむほどでした。「そう、まさにこうしてほしかった」と、心の中で何度も頷いたのを覚えています。
静かに流れる時間と店内の心地よさ
カラーは少し赤みのある暗めの色を選び、待ち時間は15分ほど。クラシックな雰囲気の店内で、ゆっくりと音楽が流れています。雑誌もタブレットもなく、ただ自分だけの時間が流れていくのが心地よく感じられました。
ネットのコメントでは「接客がそっけない」などの意見もありましたが、私は逆にこの静けさがしっくりきました。これまで訪れた美容室では、興味のない会話に延々と付き合うことが多く、それが密かなストレスになっていたからです。その点、このサロンでは余計な会話がなく、落ち着いて過ごせることがむしろ魅力に思えました。
さりげないひと言に感じたプロの姿勢
施術中にいただいた水がとてもおいしく、思わず「特別なお水なんですか?」と尋ねました。すると店長さんは「いえ、普通のシリカ水ですよ」とさらりと返答。効能を説明するでもなく、宣伝するでもない、その姿勢に言葉以上の誠実さを感じました。
気取らず、押しつけず、必要なことだけを丁寧にこなしていく。そんな店長さんの仕事ぶりに、プロとしての心意気がにじんでいるようで、ますます信頼感が高まりました。
まとめ
転居してから1年半、ようやく「この人に任せたい」と思える美容室に出会えた気がしました。人の感じ方はそれぞれ異なり、ネットの評価と自分の体験が必ずしも一致するわけではありません。むしろ、自分で足を運んで初めてわかることのほうが多いのだと、この体験を通して実感しました。静かな接客とたしかな技術に支えられた、忘れられないひとときでした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:那須野めぐみ/70代女性・パート
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
※一部、AI生成画像を使用しています
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