「サービス付き高齢者向け住宅に支払う『費用』には何があるの?」〜【介護1年生の編集者が調べてみたvol3〜】

「サービス付き高齢者向け住宅に支払う『費用』には何があるの?」〜【介護1年生の編集者が調べてみたvol3〜】
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介護施設や自宅での介護、介護について調べたり、介護を考えるきっかけになったことなどの体験談、マンガ記事をお届けします。

サービス付き高齢者向け住宅に支払う『費用』には何があるの?

介護についてまだまだ知らないことがいっぱいの介護カレンダー編集部員の私。もっともっと「介護」や「高齢者施設」について勉強して、わかりやすい情報をお届けしようと、ただいま、勉強中です。

今回は、「サービス付き高齢者向け住宅の『サービス』は介護サービスじゃないって本当?」に続いて、『サービス付き高齢者向け住宅』にかかる費用についてです。

Q.『サービス付き高齢者向け住宅』の入居時にかかる費用は?

『サ高住』は、介護・医療と連携し、安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の賃貸住宅ですから、まず入居する際にかかるのは、一般の賃貸住宅と同じように敷金です。多くの場合、敷金は家賃の2〜3カ月分。もちろん、退去するときには返還されます。礼金や更新料はかかりません(※)。
※※都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた「介護付き」サービス付き高齢者向け住宅は、その限りではありません。

Q.『サービス付き高齢者向け住宅』で毎月支払う費用は?

毎月かかるのは、一般の賃貸住宅と同様、家賃と共益費です。それにプラスして、生活支援サービスや相談サービスなどの費用がかかります。

少し古くなりますが、月々の支払額(家賃、サービス対価、共益費の合計)は、全国平均10.6万円というデータがありました。

サービス付き高齢者向け住宅の入居費用(出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の現状と課題」)

施設で提供しているオプションサービス(病院などへの付き添いや送迎、掃除や選択など)やアクティビティなどを利用する場合は、その費用もかかります。

Q.『サービス付き高齢者向け住宅』に支払う以外にかかる費用は?

要介護度が進んで、外部の事業者の介護サービスを利用するようになった場合は、介護保険の負担金(要介護度による。収入により1〜3割を負担)が必要となります。

また、いわゆる生活費、一般の賃貸住宅で生活するのと同様に、食費(※1)や医療費、光熱費、消耗品費、交際費などが別途発生します。

※1 最近は、食事の提供をしているサービス付き高齢者向け住宅が増えています。その場合は、食事をした分だけの食費を施設に支払います。居室の広さによっては、キッチンが付いていて自炊することできるようです。

ちなみに、東京都では一部のサービス付き高齢者向け住宅や東京都高齢者向け優良賃貸住宅に入居する場合、収入やその地域での居住期間等に応じて家賃減額補助を行っています。

家賃減額補助を実施している東京都高齢者向け優良賃貸住宅及びサービス付き高齢者向け住宅一覧

『サービス付き高齢者向け住宅』への入居を考えているかたは、お住いの自治体に、家賃減額補助などが受けられるかどうかを確認してみるとよいですね。

1)入居時には、敷金がかかる
2)礼金や更新料はかからない
3)毎月発生するのは、家賃と共益費と施設が提供する見守りや相談などのサービス費。
4)要介護度が進んで外部の介護事業者を利用するようになると、要介護度や所得に応じた介護費用が発生する
5)食費(※1)や医療費、光熱費、消耗品費、交際費などの生活費がかかるのは一般賃貸住宅に住むのと同じ。

まとめ

『サービス付き高齢者向け住宅』では、いわゆる介護サービスが提供されないため(※)、自立や身の回りのことが自分でできる人は、自立、要介護度に関わらず一定の介護費用が請求される介護付き有料老人ホームなどより、支払いが抑えられるようです。逆にいえば、必要な介護費用を積み上げていく『サービス付き高齢者向け住宅』では、要介護度の高い人は介護付き有料老人ホームへの支払い額を超えてしまう可能性もあるということがわかりました。

つまり、かかる費用を想定しないまま、入居先を決めてしまうと、どこかで生活が破綻してしまうこともありそうです。いろいろな入居条件はありますが、まずは持っているお金、支払えるお金を把握することが大切なのだと改めて思いました(これはどの施設を検討するときも同じだと思います)。

私の勉強はまだまだ続きます……。

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