岡山の特別養護老人ホームの入所者に介護職員が虐待。通報により明らかに。

岡山の特別養護老人ホームの入所者に介護職員が虐待。通報により明らかに。

厚生労働省は、昨年(2019年)12月24日、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する平成 30 年度の調査結果」を公表しています。

調査結果によると、養介護施設従事者等による虐待についての相談・通報件数は 2,187 件 、虐待判断件数は621件に及んでいます。この件数は、前年平成29年と比較すると、相談・通知件数は21.8%増、虐待判断件数は15.2%増と、どちらも過去最多となっています。その被害者の85.0%が認知症の人であるということです。

厚生労働省の通知を受けて、介護現場も改善を重ね、介護職員の質も年々上がっています。多くは介護職に誇りを持って、日々の介護にあたっています。

しかし、介護現場による虐待がまた起きてしまいました。今年(2020年)3月、岡山の特別養護老人ホームにおいて、複数の職員が70代から90代の入所者11人に対して、ズボンが脱げないようにひもを強く縛ったり、部屋から出られないようにしたりするなどの虐待を行っていたことが、匿名の通報によりわかったというのです。

虐待に関わった職員は、「入所者が自分でオシメを脱がないようにするため」と説明しています。運営する社会福祉法人は、その中心的立場にいた4人をすでに解雇しています。しかし、解雇された職員は、不当な解雇に当たると申し立てを行っているそうです。

職員側は介護だと思っていても、介護される側はどう感じているのでしょう。認知症などで自分の気持ちをうまく伝えられない人がそうされることでどう感じているのかを考えたり、自分の大切な家族がそうされる姿を見たときに何を感じたり、もしかしたら介護の仕事には想像力がとても大切なことなのかもしれません。

参考:KSB瀬戸内放送

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