高齢者の活動時間、新型コロナで3割減 長寿研と筑波大が調査

高齢者の活動時間、新型コロナで3割減 長寿研と筑波大が調査

国立長寿医療研究センターが2020年6月5日の会見で、新型コロナウイルスの流行が高齢者の活動に与えた影響を探った調査研究の結果を報告した。

2020年の1月から4月かけて、1週間の運動などの活動時間がおよそ3割減少したという。研究グループは心身機能が低下する人、介護が必要になる人が増える懸念があると指摘。感染予防と活動維持のバランスを保つことが重要と呼びかけている。

高齢者の感染予防と身体活動の重要性 

この調査研究は、長寿研と筑波大学が連携して本年4月23日から27日にインターネットで行ったもの。対象は東京や愛知、大阪、福岡などに住む65歳から84歳の1600人。 

結果のレポートによると、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が深刻化する前の2020年1月、1週間で体を動かした時間は4時間5分だった。一方、緊急事態宣言が発令された4月の活動時間は3時間。この間に65分減少していた。チェックリストを使って対象者を「標準」、「プレフレイル」、「フレイル」の3つに分けても活動時間はそれぞれ減っており、運動機能のレベルによる差が大きくないことも分かった。 

感染拡大を防ぐため外出自粛などを要請されたなか、「何か運動をしている」と答えた人は約半数だった。複数回答でどんなメニューに取り組んだか聞くと、「自宅内での運動(35%)」や「ウォーキング(34%)」などが多かった。 

こうした結果を踏まえ長寿研の担当者は、「You Tubeなどで感染リスクに配慮した動画コンテンツをリリースしている。高齢者にはそれらも活用し、生活不活発から来る要介護状態を防ぎ、健康寿命を延ばして欲しい」と語った。例えば厚生労働省は公式サイトで、「自宅でできる体操動画」の複数のリンクをまとめて紹介している

提供元:介護のニュースサイトJoint

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