どんなにサービスが充実している施設でも「家に帰りたい」という祖母に胸が痛みました【介護施設探しの体験談】

どんなにサービスが充実している施設でも「家に帰りたい」という祖母に胸が痛みました【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

入居したサービス付き高齢者向け住宅でどんなに良いサービスが受けられても長年住み慣れた家に帰りたいというおばあさまに胸が痛んだという大阪府のS.H.さんは話します。

どんなにサービスが充実している施設でも「家に帰りたい」という祖母に胸が痛みました

【プロフィール】
<入居者>曽祖母
<施設種類>サービス付き高齢者向け住宅
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護4
<入居期間>2016年6月~2018年9月
<居住地域>大阪府
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

母方の祖母です。

医療的ケア・疾患、症状など

入居の数年前より物忘れがひどくなり、認知症と診断されました。新しい情報が全く頭に入らない状態でした。

入居を決めた時期と理由

祖母は病院で認知症と診断されましたが、仕事などの関係で一日中つきっきりで祖母の介護ができる家族もおらず、それまでの一人暮らしは危険だと判断しました。物忘れがひどく、自分の名前や住所、電話番号も曖昧な状態で、火の始末や健康状態、その他諸々を考えると、介護施設に入居させるのが良いという結論に達しました。

家からも近く、家族が訪問するのにも便利な場所にあるサービス付き高齢者向け住宅を探しました。

施設の探し方

まず、祖母が住んでいた家から近い施設を探しました。その中からサービスが充実している、清潔である、高齢者の安全に配慮している、リハビリ施設が充実しているなどに重点を置いて選びました。

また、実際に施設に見学に行ってみて、スタッフの方々が信頼できるか、毎日どのようなスケジュールで運営しているか、実際に入居されている方々がどのように感じられているか、などをチェックしました。

入居の手続き、ステップ

まずは電話で予約、その後、施設を見学に行き、実際の設備やサービスなどについて説明を受け、入居申込書に必要事項を記入しました。
その後、入居審査があり、健康状態の確認時には、ペースメーカーについての説明も詳しくしました。

全て終わると契約、入居が決まりました。その後は持っていくものを選別したり買いそろえたり、持ち物全てに名前を書いたりと引越しの準備をして、入居にいたりました。

入居して良かったこと

まずは認知症の祖母が一人暮らしをしているという心配がなくなったことです。24時間体制でサポートしてくださるのが、何より安心です。また身の回りの世話や栄養バランスのとれた食事、適度な運動、認知症の進行をおさえるためのアクティビティも実施してくれました。

家族では毎日このようなことはできないので、本当に助かりました。また他の入居者の方々とも仲良くなり、一人で家にこもっているよりは断然楽しそうだったのも良かったと思います。

入居して大変だったこと

身の回りの世話などを全てしてもらい、他の入居者の友達もいて、自分専用の個室があったのですが、やはり長年自分の住み慣れた家ではないので、自分の家が恋しいと言っていました。

時間が許すときは元の家に連れて帰って数時間過ごしたりもしましたが、帰るときに「帰りたくない」と言うこともしばしばありました。
それでも夕方には連れて帰るしかないので、祖母の気持ちを考えると毎回とても胸が痛かったです。

入居を検討しているかたへのアドバイス

どの介護施設にどのような形態で入居するかによって違うと思いますが、介護をする家族の負担が軽くなるという点ではとても助かると思います。

どのような設備があり、どのようなサービスをしてもらえるのか、どのように健康管理をしてくれるのか、スタッフの方々の雰囲気など、実際に見学に行き、質問をしてしっかり説明を受けるのが良いと思います。

また、長期的に見て、家族の方が訪問に行きやすい場所にしたほうが良いと思います。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★サービス付き高齢者向け住宅(サ高住について詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

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