敗血症により公立病院へ緊急搬送された要介護3のおかあさまにせん妄症状が現れたことで、療養型病院への転院を余儀なくされたY.H.さん。何から何まで文句なし、という施設はそうそう簡単には見つからないと感じています。
何から何まで文句なしという施設は簡単には見つからない
【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>その他の施設
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護3
<入居期間>2014年10月~2018年3月
<居住地域>兵庫県
<話を聞いたかた>二女
入居者との関係
実母です。
医療的ケア・疾患、症状など
尿路結石による敗血症で公立病院に救急搬送され、ICUにて治療し一命を取り留めました。その際、せん妄が強く認知症もあると診断され、搬送された病院に20日間ほどの入院後、療養型の病院に転院しました。
入院時に延命処置はしないということで、胃ろうはつけない、経管栄養はしない、人工呼吸器は付けない、心臓マッサージはしないということを書面にて提出しました。
入居を決めた時期と理由
病院の地域医療の担当ナースが勧めてくれた療養型の病院に姉と私で見学に行きました。
見学に行った時は、ちょうど入浴の時間帯でした。
各年齢層のスタッフがバランスよく揃っていることや、男性スタッフも結構多いことや入居されいるかた、スタッフの表情が良かったことが決め手となりました。
精神科が主体の病院で閉鎖病棟だという点に、かなり躊躇しましたが、天気の良い日は外出に連れて行ってくれるので、そこは目をつぶることにしました。また、担当の精神保健福祉士のかたが親切だったこともあります。
何から何まで文句なし、という施設はそうそう簡単には見つからないと思いました。
施設の探し方
救急搬送された公立病院の地域医療室からの紹介になります。
病院としては、もっと早く出て行ってほしかった(転院してほしかった)のではないかと思います。看護師のなかには「あなたの自宅に連れて帰ることはできないのですか?」と直接私に言う人もいましたが、姉の家も私の家も、家族や間取りや家の面積などから、母の寝室を確保することはできませんでした。
ちなみに私が住んでいる家は、1Kで入居は1人に限るという決まりがありましたし、姉には障害をもった子どもがいました。
入居の手続き、ステップ
公立病院に救急搬送されたときは、命の危険さえもあったので、まさか介護施設に入居になるとは思ってもいませんでした。
公立の病院で良くなるまで入院できると思っていたのですが、やはり急性期の病院は、「早く転院先を見つけてください」というムードでした。
看護師たちは私が家に連れて帰ると思っていて、看護計画には転院は考慮しておらず、地域医療室が慌てて転院先を探すといった有様でした。
私がマメに面会に来ていたから、私が母の面倒を引き続き見るものだと勝手に思い込んでいたのです。
私が1Kのマンションに独り暮らしだということを把握せず看護計画を作った点は病院の大きなミスだと思います。
入居して良かったこと
私の体力や精神力では、せん妄の症状がある母の介護を行うのは困難だったと思います。
せん妄の原因は公立病院で処方されていた、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が一因だと考えられます。転院先の病院でお薬を変更したら速やかに回復しました。
母は阪神タイガースのファンだったのですが、男性スタッフのなかに阪神タイガースが大好きなスタッフがいて、夜はよく一緒にテレビを見ていたようです「おにいちゃん」「おっちゃん」など男性スタッフを慕っており、きっと楽しかったと思います。
入居して大変だったこと
面会に行くのに交通費が結構かかることや、マイカーがないと通いにくい山奥に病院があったことが大変でした。
バスが時間帯によっては1時間に1本ほどしかなかったので、走ってバス停に行ったのに、目の前でバスが通過してしまいタクシーを呼ぶようなこともときどきありました。
母も「今度面会に来るときは、八つ橋が食べたい」などリクエストするので、それも結構な出費になっていました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
ある病院の院長が話ていたのを聞いたことがありましたが、療養型の病院に入院すると、筋力や認知能力が落ちるというケースが多いようです。
また、夜間はスタッフが少ないので、拘束(抑制)を行うケースもあります。
「抑制が嫌なら夜はついていてください」と公立の病院に入院中に言われて、2晩ほど、泊まり込んだこともあります。せん妄が出ている間は、夜間は抑制となることが多いです。
病院もそうならないように最大限の努力をしてくれているとは感じましたが、やはりどこの病院も人手不足で、安全面からそうせざるを得ない面もあるようです。
このようなデメリットがあることも考慮する必要があると思います。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。