要介護4のご主人のおかあさまの食事やトイレの世話などをおとうさまが老老介護。見兼ねたご主人が施設への入居を決めたというM.Y.さん。介護から解放されたおとうさまには生活にゆとりができたようですが、一人暮らしという新たな心配も生まれたようです。
お金の心配はあるが、介護をひとりで抱えないことが大切
【プロフィール】
<入居者>義母
<施設種類>介護老人保健施設
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護4
<入居期間>2019年10月〜
<居住地域>鹿児島県
<話を聞いたかた>長男の妻
入居者との関係
義理の父です。
医療的ケア・疾患、症状など
足が悪く思うように歩けなくなりました。認知症状もありました。
入居を決めた時期と理由
当初は週に何回か施設に通所してお風呂にも入れていただいていました。しかし義父が毎日の食事の支度やトイレなどの世話をするなど老老介護になり、ストレスなどが貯まり、体力の限界が迫っていました。素人では、食事制限は難しいですし、漏れないようにと何枚も重ねてオムツをしているのはとても暑そうで、見かねて注意したこともありますが、なかなか受け入れてもらえませんでした。最終的に入居することは息子である主人が決断しました。
施設の探し方
相談していたケアマネージャーが持ってきてくれたパンフレットを参考に、相談して決めました。2カ所に絞りましたが、最終的には、知り合いがいるという施設に行きたいという本人の希望を優先しました。もちろん、支払額との兼ね合いもあったと思います。
今はコロナで行けませんが、家から車で10分くらいの行きやすい場所なので、何か急なことがあっても対応しやすいです。施設のお医者さまもよく知っている方で信頼関係があるので連絡を取りやすいことも安心材料のひとつになりました。
入居の手続き、ステップ
ケアマネージャーと相談し、見学に行き、どういうところかを確認しました。最初は、週に2、3回、デイケアに行って徐々に慣らしていきました。基本、人と触れ合い、話すことが好きな人だったので行くことは拒みませんでしたが、足がうまく動かせなかったので、連れて行くのに義父は苦労したようです。
入居して良かったこと
入居して良かったと思うのは、毎日の食事。自宅だとどうしても塩分が濃くなりがちだし、栄養も偏りますから。
でも何といっても、義父の負担が軽くなって、自分のペースでゆったり暮らせるようになったことです。趣味を楽しむゆとりもできたことが一番です。外出や買い物に出かけたり、音楽を聴いたり、ラジオを聞いたり、好きな日曜大工をぼちぼちしたりしています。昼寝もしているようです。自分の好きな物を作って食べることも楽しみなようで、家事も上手にこなしています。
入居して大変だったこと
一方で義父が一人暮らしになってしまったので、体調が良くないときなどが心配です。ガスや電気類の扱いや薬の管理、掃除が行き届かないことも心配です。昔の人なので、何日も前の物を食べることがあって、衛生面も不安です。
地域のつながりも薄くなっているので、離れている家族がこまめに様子を見に行ったり、声をかけたり、買い物に連れて行ったりしています。
入居を検討しているかたへのアドバイス
お金の工面もありますが、何より介護をひとりで抱えないことです。介護者が一人になる時間を作るためにデイケアを利用することをお勧めします。デイケアではお風呂にも入れてくれますから。家だけに引きこもっていると煮詰ってしまうので、たまには外に出ていい空気を吸うことも必要です。
施設への入居をためらってるときは、周りの人にぜひ相談してください。見学に行くのも良いですね。お試しというのもありますよ。
また、本人の意思を尊重してあげることも大切ですね。施設では、他の方との交流やリハビリもあるので、体力を温存することもできます。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
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