「助けられる命が助けられなくなる」 厚労省助言委、コロナ第3波に強い危機感

「助けられる命が助けられなくなる」 厚労省助言委、コロナ第3波に強い危機感
《 厚労省のアドバイザリーボード 撮影:2020年10月 》

現状への危機感を表す専門家の言葉が日増しに強くなってきている。介護現場の緊張状態は今後さらに厳しさを増しそうだ。再び出始めている“利用控え”などの影響も、一段と顕在化していくとみられる。

新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省のアドバイザリーボードが2020年11月24日、直近の感染状況の評価を新たに公表した。

主に北海道や首都圏、関西圏、中部圏などを念頭に、「地域によっては既に急速な感染拡大がみられ、このままの状況が続けば、医療提供体制と公衆衛生体制に重大な影響が生じる恐れがある」と指摘。「入院者数、重症者数は増加が続いている。各地で新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難になり始めている。このままの状況が続けば、通常の医療では助けられる命が助けられなくなる」と警鐘を鳴らした。

今後については、「医療提供体制や公衆衛生体制を維持するためにも、可及的速やかに感染を減少方向に向かわせる必要がある」と提言。「既に医療提供に困難が生じている地域では、接触機会の削減など強い対策を行うことが求められる」との認識を示した。

また、医療機関や高齢者施設などを対象とした検査の積極的な実施も改めて要請した。

1人の感染者が何人にうつすかを示す実効再生産数については、「全国的には1を超える水準が続いている」との分析結果を公表。「大阪、京都、兵庫では2を超えており、北海道、東京、愛知などで概ね1を超えている」と説明した。

アドバイザリーボードの脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は24日夜の会見で、「今回の議論の中でも、病院や保健所に関わる先生方から悲鳴のような声が聞かれた。今、直ちに強い対策が必要な状況になりつつある地域が多くある」と語った。

情報提供元:介護のニュースサイトJoint

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