新型コロナウイルスワクチンの介護職の優先接種をめぐり、立憲民主党の「課題検討プロジェクトチーム」は2021年3月8日、現行の方針を見直すよう求める「緊急要請」を河野太郎担当相へ提出した。
介護施設、障害者施設の職員は高齢者と同じタイミングで接種できるようにすべきと主張。在宅系の職員も施設系の職員と同等に扱うべきだと訴えた。感染者へのサービスに入る意思を明確に表明しなければならないなど、在宅系のみに設けている要件も撤回するよう求めている。
「在宅系も含めて、全ての介護職・福祉職が高齢者と同時期に接種できるようにすべき」。
プロジェクトチームの座長を務める立憲民主党の中島克仁衆院議員は、河野担当相との面会後にそう述べた。「河野大臣は非常に前向きな姿勢をみせた」との認識も示した。
ワクチン接種の優先順位はまず医療従事者、次に高齢者。介護職はその次に位置付けられ、当初は施設・居住系のみに限定されていた。厚生労働省は今月3日に方針転換を発表。独自の要件(*)を満たせば在宅系も対象に含められる、との通知を全国の自治体へ発出した。
* 在宅系の独自の要件
地域の感染状況や医療体制などを踏まえ、在宅系も加えるべきと自治体が判断することが前提。事業所側には、自宅療養となった感染者・濃厚接触者も避けずに必要なサービスを継続的に提供していく、と明確に表明することが求められる。市町村への事前登録も必須。
立憲民主党のPTは「緊急要請」で、在宅系の独自の要件について、「極めて厳しく、全ての介護職・福祉職を優先接種の対象にすべきという思いからはほど遠い」と問題を提起。「介護職・福祉職の分断につながる差別的取り扱いと言わざるを得ない」などと厳しく批判した。
このほか、「在宅系の介護職がワクチンを打っていないのは、防波堤に穴が開いているような状況」とも指摘した。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint