認知症の人と家族の会が今年度の総会を2021年6月5日にオンラインで開催。「コロナ禍でも安心して過ごせる社会の実現を」と題する総会アピールを発表した。
この中では、今後の制度改正に向けて政府が介護保険の利用者負担の引き上げなどを俎上に載せていることを念頭に、「国は国の責任よりも、自己責任を強調した”自助”と家族や地域で支え合う”互助”を求めている」と問題を提起。「給付削減は私たちの大きな不安に追い打ちをかけている。国が”公助”として、認知症の人も家族も安心して生活するための施策を実施することを強く求める」と訴えた。
家族の会の鈴木森夫代表理事は総会で、「介護の社会化をこれ以上後退させないために、様々な関係団体と力を合わせて声を上げていきたい」と述べた。
介護保険の給付費は今後さらに膨張を続け、現役世代の負担もより重くなっていく見通し。今後の制度改正をめぐる議論では、これにどう対応していくかが最大の課題となる。
財務省は先月、利用者負担を”原則2割”へ引き上げていくべきだと提言。居宅介護支援のケアマネジメントで新たに利用者負担を徴収すべき、とも重ねて主張していた。
家族の会はこのほかコロナ禍について、総会アピールで「認知症の症状の悪化や社会からの孤立の恐れがますます強まっている」と指摘。「症状悪化の防止や家族とのかけがえのない時間を取り戻すための施策の実施が強く望まれる」と呼びかけた。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint