厚生労働省は2022年4月7日、ヤングケアラーの実態を把握するための調査研究の結果を公表した。家族のケアにあたる子ども、学生が少なからずいることが明らかにされており、専門家は支援体制の強化を呼びかけている。
この調査は2020年度から昨年度にかけて実施されたもの。厚労省が民間のシンクタンクとともに、小学6年生、中学2年生、高校2年生、大学3年生などに幅広く現状を尋ねた。小学6年生などを対象としたのは今回が初めて。
それによると、世話をしている家族が「いる」と答えたのは、小学6年生が6.5%、中学2年生が5.7%、高校2年生が4.1%、大学3年生が6.2%。その関係性では兄弟・姉妹や父母が多く、中学生以上では祖父母も少なくなかった。
父母や祖父母の世話をしている人にその状態を聞いた回答では、精神疾患や依存症、身体障害、要介護、認知症などが目立つ。「日本語を第一言語としない」もあった。世話の内容では家事が最多。見守りや外出の付き添い、感情面のサポートなども多かった。
学校や大人に助けて欲しいことを複数回答で尋ねた結果では、「自由に使える時間が欲しい」「進路や就職など将来の相談にのって欲しい」「学校の勉強や受験など学習のサポート」が目立っていた。
有識者として調査に携わった大阪歯科大学の濱島淑恵教授はこうした状況を踏まえ、「目に見えて分かる支援体制を作る必要がある」と指摘。「自治体で窓口を設けたり、民間支援団体との連携体制を築いたりする取り組みを期待したい」と述べた。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint