老人ホームに支払うお金には何があるの?
介護についてまだまだ知らないことがいっぱいの介護カレンダー編集部員の私。もっともっと「介護」や「高齢者施設」について勉強して、わかりやすい情報をお届けしようと、ただいま、勉強中です。
「介護1年生の編集者が調べてみたVol4」では、有料老人ホームの利用料には想定居住期間の家賃相当額を入居時に支払う「前払方式」と毎月、一定の家賃を支払う「月払方式」があることを勉強しました。しかし、先輩編集部員に「老人ホームに支払うのは家賃だけじゃない」と指摘され、老人ホームに入居してから退去するまで、「いったいいくらかかるの?」と頭のなかに「?」が広がりました。
介護付き有料老人ホームに入居するのにかかるお金(介護カレンダー)
Q.入居時に「敷金」は必要?
入居時に「月払方式」を選択した場合は、原則として3カ月分の家賃相当額の「敷金」が必要となります。この「敷金」は、主に施設を退去する際に使用していた居室を原状回復するための費用として使われます。また、万が一、月額利用料に不払いがあった場合は、退去時に敷金から不払い額を差し引かれます。
※「前払方式」を選択した場合は「敷金」は不要です。
Q.毎月、決まって支払う費用は?
入居時に「月払方式」を選択したかたは「家賃相当額」、すべてのかたに共通で「管理費」「食費」などが発生します。
※施設によって費用の名称や構成は異なりますので、入居前に必ず確認してください。
Q.「管理費」って?
フロントや水道光熱費、厨房運営費などと、施設の維持を管理するために必要なサービス、人件費などに使われます。
※水道光熱費などを別途徴収するなど、施設によってサービスの内容は異なります。入居前に必ず確認してください。
Q.「朝食は食べない」けれど、食費は請求される?
一般的には、決められた期限までに「食事は不要」と届けた場合は食費はかかりません。
最近はほとんどの施設で、朝食、昼食、夕食以外に、おやつも用意されます。また、行事食はもちろん、外食に出かけたり、通常の食事が難しいかた向けのミキサー食などに力を入れている施設も増えています。
Q.「介護費用」はホームに支払うの?
いわゆる「『介護付き』有料老人ホーム」(介護保険法に定められた基準を満たし「特定施設入居者指定介護」として都道府県から事業指定を受けている有料老人ホーム)の場合、入居者はホームに在籍するケアマネージャーと必要なケアプランを立て、職員から介護サービスを受けるので、要介護度や要支援度、また収入、地域に応じて介護保険の自己負担金を月額利用料に加えて施設に支払います。
一例として、職員の配置など介護保険給付基準を上回る手厚い人員体制を採用している施設では、追加で上乗せ介護費用が発生します。また、その他、利用者の状態などによって自己負担金に加算される場合もあります。
※施設や入居者の健康状態などによって必要な介護費用は異なります。入居前に必ず確認してください。
一方、「特定施設入居者指定介護」の指定を受けていない、住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームなどは、外部のサービス提供事業者から介護サービスを受けるため、介護費用をホームに支払う必要はありません。とはいえ、支払先は違っても、介護サービスを受けた分については費用が発生します。
介護付き有料老人ホームは月々定額、住宅型有料老人ホームは利用した介護サービスに応じて、介護費用が発生すると覚えておくとよいでしょう。
介護保険制度の仕組みや保険料(介護カレンダー)
Q.他にかかる費用はあるの?
月額利用料と介護保険の自己負担金以外に、個人利用となるオムツ代、理美容費、ホームが提供する以外の嗜好品、新聞代、電話料金、NHK受信料などは、全て入居者の負担になります。また、ホームで決められた定期健康診断など以外の医療費も個人負担です。ホームで実施されるアクティビティが有料の場合もあります。
「月払方式」を選択していて、病気で病院に長期入院してホームの居室を利用しない場合でも、通常月と同様に「家賃」が発生するケースもあります。
2)「特定施設入居者指定介護」の事業指定を受けた介護付き有料老人ホームは、要介護度、要支援度に応じた介護保険の自己負担金をホームに支払う。
3)個人利用や嗜好品、医療費などは入居者の負担となる。
4)ホームや入居者の健康状態などによって月々にかかる費用は異なる。
まとめ
今回老人ホームにかかる費用を調べていて感じたのは、ホーム(施設)や入居者の状態によって支払う費用は異なってくるということ。WEBサイトやパンフレットを見るだけでは、なかなか理解できません……
「入居したときは要介護1だったけれど、高齢になってだんだん弱ってどんどん要介護度が高くなったり、医療費がかさんだり、いつまで費用を捻出していられるのか怖かった」と話していた同僚の言葉や「思っていたよりずっとお金がかかる」という体験談が腑に落ちました。
親も、まして私自身もまだ介護は先の話だと思っていましたが、施設に入ることも想定して、資金計画は早めに考えないといけないと思いました。
私の勉強はまだまだ続きます……。