「そもそも『介護保険』の仕組みってどうなっているんだろう?」~【介護1年生の編集者が調べてみたVol8~】
介護についてまだまだ知らないことがいっぱいの介護カレンダー編集部員の私。もっともっと「介護」や「高齢者施設」について勉強して、わかりやすい情報をお届けしようと、ただいま、勉強中です。
以前にも、介護保険について調べましたが、調べても調べてもやっぱり難しい。
介護保険が「介護を必要としている人に費用を給付する保険」ということはわかるのですが……。でも、実際に私の家族はまだ利用していないので、あまりピンとこないのかもしれません。
もう一度、その仕組みを調べてみることにしました。
「介護保険制度って?」~【介護1年生の編集者が調べてみたVo1】
■ 介護保険料の算出方法はさまざま
介護保険は、皆で保険料を負担し、介護が必要な人に費用を給付する仕組みとして、平成12(2000)年にスタートしました。
その財源は、介護保険の被保険者が納める介護保険料と、公費(国・都道府県・市町村)、それぞれ50%ずつとなっています。
40歳になると介護保険の被保険者となります。そこから64歳までの人が第2号被保険者で、自分が加入している健康保険(国保や会社の健保など)と一緒に、介護保険料が徴収されます。
この保険料の算出方法は、職場の健保などに加入している場合、介護保険率と給与の金額で決まり、原則として事業主が半分を負担してくれます。
一方、国民健康保険加入者は、自治体ごとに介護保険料率が異なり、さらに所得割、均等割、平等割、資産割などを組み合わせて算出するのだそうです。難しい……
・所得割…前年中の被保険者または世帯の所得額に応じて負担する金額
・均等割…世帯あたりの被保険者数によって均等に負担する金額
・平等割…被保険者(世帯)が平等に負担する金額
・資産割…資産に応じて負担する金額
そして65歳になると第2号被保険者は介護サービスが利用できる第1号被保険者となり、年金受給額が年間18万円以上の人は年金から天引き、それ以下の人は別途保険料を支払います。
つまり、介護サービスを利用する立場になっても、生涯、保険料は支払い続ける必要があるので、万が一、介護保険料を滞納すると、介護が必要になったときに十分な介護サービスが受けられない可能性もあるということです。
■65歳以下でも受給者になるケースって?
介護保険のサービスの対象者(受給者)は、原則として65歳以上の第1号被保険者になります。
ただし、40歳から64歳までの第2号被保険者でも、老化に起因する指定の16疾病によって介護認定を受けた場合、費用を負担してもらうことができます。
その対象となる特定疾病は以下の通りです。
- 末期がん
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 変形性関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う)
これらの疾病に該当して介護認定されると、40〜64歳でも自治体から介護保険被保険者証が発行され、サービスを受けることができます。
■実際に介護保険サービスを使うには?
65歳の誕生月に、自分の居住する自治体から被保険者証が交付、郵送されます。
ただし、交付されたからといって、介護認定を受けなければ介護保険サービスを利用するこはできないんです。ここが大事なポイントです!
介護認定の要件は以下の通りです。
- 寝たきりや認知症などにより、介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合
- 家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合
介護認定を受けるには、まず居住する市区町村の窓口に要介護認定の申請をします。
その後、調査員が訪問調査に訪れて、心身の状態などを聞き取り調査、さらに市区町村から主治医に意見書作成が依頼され、コンピューターによる一時判定が行われます。
1次判定と、かかりつけ医の意見書などをもとに、介護認定審査会が客観的な基準に沿って要介護度を判定します。
なおその要介護度によって、介護保険で利用できるサービスの上限額(1カ月ごと)も変わるので、一度住んでいる自治体のHPなどで確認してみることをお勧めします。
1)介護保険は生涯支払い続けなくてはいけない
2)40〜64歳の第2号被保険者でも特定疾病の要介護認定されれば介護サービスを受けられる
3)介護サービスを受けるには、窓口に申請して介護認定を受けなければならない
まとめ
私自身も40歳になったときに介護保険料を支払うようになることは理解していましたが、その保険料がどのように算出されているのかまでは理解していませんでした。
これから一生の付き合いとなる介護保険について、今後もいろいろと学んでいきたいと思います!
その日のために私の勉強は続きます。
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