高所得者世帯の介護負担割合が3割って?【介護1年生の編集者が調べてみた〜Vol14】

高所得者世帯で介護費用負担が増えている?

介護保険は、要介護者(介護を受ける人)が少ない負担で介護サービスを受けられるよう、社会全体で支えている保険制度です。

要介護者が介護保険によって介護サービスを利用する場合は、介護保険負担割合証に記載の利用者負担割合に応じて、1割から3割のいずれかを負担します。

実は介護保険制度が始まった平成12(2000)年当時は、全ての要介護者の負担割合は原則1割負担でした。

それが平成27(2015年)には、65歳以上で一定以上の所得がある人は2割に、さらに平成30(2018)年8月には、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める(簡単に言えば不公平のないように)という観点から介護保険法が改正され、一定年収以上の高所得者世帯は3割負担となりました。

今回は、どんな人が3割負担なのか、3割負担になったことでどんな影響があったのかを調べてみようと思います。

Q.3割負担ってどう判定されているの?

さて、実際に3割負担対象者はどのくらいの所得、収入がある人をいうのでしょうか?

「本人の合計所得金額(※1)が220万円以上」で、かつ「本人を含めた同じ世帯の65歳以上の方の年金収入+その他の合計所得金額(※2)の合計が単身世帯で340万円以上、2人以上世帯で463万円以上」の方が相当します。

ちょっと混乱するのは、年金は「収入」、それ以外が所得となっているところ。

ここでいう合計所得金額(※1)は、「年金・給与・事業等の『収入』から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除した後の額で、 基礎控除や人的控除等の控除をする前の額」。また「その他合計所得金額」(※2)は、「合計所得金額から公的年金等に係る雑所得を除いた額」を指します。

説明が難しいですね。詳しくは管轄の自治体でご確認ください。


Q.負担割合はいつ決定するの?

介護保険負担割合証の適用期間は、毎年8月1日から翌年の7月31日までです。

1割〜3割の負担割合は、前年度の所得が確定、住民税決定後に判定され、毎年7月上旬に該当者に送付されるので、特に更新の必要はありません。

介護保険負担割合証にご自分の負担割合が記載されているので、送られてきたら必ず確認することをお勧めします。

Q.3割負担の人ってどのくらいいるの?

令和3年6月末現在、65歳以上の第1号被保険者数は3,583万人、要介護(要支援)認定者数は686.6万人、うち3割負担対象者は269,697人。要介護(要支援)を受けている人の約3.9%が3割負担ということになります。

出典:令和3年6月分 介護保険事業状況報告(暫定)/ 厚生労働省」

Q.3割負担の人も高額介護サービスは使える?

介護保険にも健康保険の高額療養費のように、高額介護サービス費という制度があり、1カ月に支払った負担額のうち上限額を超えた分は、申請すれば払い戻されます。

ただし、この負担限度額も負担能力に応じた負担を図るという観点から、令和3年8月に見直しが行われ、やはり高所得者世帯の限度額が引き上げられました。月額の負担上限額は以下の通りです。

見直しの対象となったのは同一世帯に課税所得380万円(年収約770万円)以上の65歳以上の方がいる場合で、「課税所得690万(年収約1,160万円以上)は月額の負担上限額140,100円(世帯)」、「同380万円(同770万円)〜690万円(1,160万円未満)は93,000円(同)」となります。

1)合計所得金額が220万円以上かつ同世帯の65歳以上の方の年金収入+その他の合計所得金額の合計が単身世帯340万円以上、2人以上世帯463万円以上だと介護負担3割となる
2)介護負担割合証は、前年度の所得確定、住民税決定後に判定、毎年7月上旬に該当者に送付される
3)3割負担の人は要介護(要支援)認定者数686.6万人のうち269,697人
4)介護サービス負担額の上限を超えた分が払い戻される高額介護サービス費も高所得者世帯は引き上げられた

まとめ

お金の計算が苦手な介護カレンダー編集部員には、所得だったり、年収だったり、今回のテーマはかなり難しかったです。

簡単にいえば、国民みんなで支える介護保険だから、たくさん収入のある人はそれに応じた介護サービス費を負担しましょうということなんですね。

令和3(2021)年9月15日現在、日本の65歳以上の高齢者人口は3640万人。総人口に占める割合は29.1%。2050年には高齢人口が3764万人、39.6%、現役世代1.4人で一人の高齢者を支えることになると言われていますから、高所得者世帯の負担が増えていくことは仕方のないことかもしれません。

出典:急速な少子高齢化の進行 – 厚生労働省

私の勉強はまだまだ続きます…

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