お母さまの認知症が発症したことをきっかけに、シニア向け分譲マンションを購入したT.A.さん。パンフレットの情報だけでなく、入居している知人の情報を参考に、さまざまな観点から総合的に判断したうえで、マンション購入を決めたとT.A.さんは話します。
カタログではわからない暮らしやすさ。実際に生活している人に話を聞いた
【体験者プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>シニア向け分譲マンション
<居住地域>京都府
<入居年齢>70代
<介護度>要支援2
<入居期間>2019年12月〜
<話を聞いたかた>長男
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母です。
入居を決めた時期と理由
母は元々足腰が悪かったところにヘルニア、そして認知症を発症していることがわかり、介護のしやすい環境に引っ越すべきか悩みました。
認知症のせいか手元や足元がフラつくことも増えてきて、一人で家の中を歩いているだけで怪我をしそうになっていたのも心配でした。
実家の近くには坂道や階段が多いために、自宅の周囲を歩いているだけでも大怪我をしないか不安を覚えたことが、高齢者向け住宅に引っ越そうと考えた理由です。
施設の探し方
最初はカタログをチェックしていたのですが、カタログを見ているだけでは暮らしやすさはわかりにくいと考え、実際に生活している人の話を聞くことにしました。
幸いなことに、母の友人に高齢者向け住宅で暮らしている人がいたので、周辺にある店舗へのアクセスや暮らしやすさ、防災対策などの情報をチェックできたのも良かった点です。
情報を調べているうちに交通アクセスの良さなども含めて、理想的な物件だと思えたので引っ越しを決断しました。
入居の手続き
高齢者向けマンション物件の見学会が開催されていたおかげで、自分の目で物件の魅力を確認できるだけでなく、スタッフに詳しい質問ができたことが良かったです。
見学を済ませた後に仮申し込みをして、書類審査が終わるまでに1カ月ほどかかりました。
面談では家族にどれくらいの介護が必要なのかなど詳しく質問されましたが、あとは入居金の支払いを済ませるだけでスムーズに入居できました。
引っ越しの準備には2週間から3週間ほどかかりましたが、荷物の運搬もしやすい物件でした。
入居して良かったこと
入居した高齢者向けマンションは、浴槽のデザインが工夫されており、車イスを使っている人や足腰が弱い人でも入浴しやすい設計になっているのが魅力的です。
足腰が悪い母親は、他人の手を借りられないと、腰の痛みを我慢して入浴していたのですが、マンションのお風呂には手すりが付いているために、一人でも入りやすいと喜んでいます。ミストサウナが付いていたり、緊急対応ボタンがあったり、車イスに乗ったまま生活しやすい設計も安心できる点です。
入居して大変だったこと
バリアフリー設計になっている点は高齢者向けマンションの魅力ですが、やはり階層が高くなると移動が大変に感じることもあります。
また床がバリアフリーでも手すりを触りながらでないと、足元がフラつき怪我をする可能性があるのも変わりません。
認知症を発症している人が勝手に外に出ないように対策するのが少し難しいことは、今後もしかしたらつらいと感じるようになるかもしれないと不安に思っています。
これからも安心して母親と暮らせることを願っています。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護向けの住宅でなければ、高齢者をお風呂に入れたりトイレに出入りしたりするだけでも大変に感じることがあります。
手すりが数多く取り付けられていることを考えても、高齢者向け住宅に引っ越す価値があると考えるべきです。
また、病院だけでなく定期的に通うことになるリハビリ施設から近いマンションに引っ越せたことは良かったと自分は感じています。
家族全員が笑顔で暮らせる住宅設計になっているか、リビングの構造などもチェックしておきたい点です。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
<目安>投稿者申告による
●入居金 〜1,000万円
●その他毎月かかる費用 〜10万円
※2008年9月完成、売り出されたシニア向け分譲マンションです。通常のマンションと同様、中古物件も売り出されています。