おばあさまの面倒を見ていたA.T.さんのおかあさまが体調を崩したことをきっかけに、高齢でも安心して生活できる場所を探し始めます。ご自分の経験を振り返り、入居前に先を見据えての資金計画を立て、文書に残しておくことが必要ではないかとA.T.さんは話します。
入居前にどれぐらいの資金が必要かを話し合い文書に残すことをおすすめ
【体験者プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<居住地域>京都府
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2019年6月〜
<話を聞いたかた>孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母方の祖母です。
入居を決めた時期と理由
別居をしながら祖母の面倒をずっと見てきた私の母が体調を崩し、心身ともにこれ以上の負担は不可能となった結果、高齢でも安心して過ごせる場所として入居を決めました。
頭ははっきりしていてある程度の料理や家事などはできるので、最初は普通の賃貸マンションなどへの居住を考えていました。しかし、気に入ったマンションがあっても、高齢を理由に入居を断られてしまい、困った思い出があります。最終的に祖母の年齢でも受け入れてもらえる施設を選びました。
施設の探し方
長年住み慣れた場所から離れたくないという祖母の希望があり、自宅からできるだけ近い場所にある施設から絞り込んでいきました。
しかし、あまりにも近すぎると引っ越しをした意味がないし、里心がつくと言われたので、それなりに距離があり、快適に暮らせる場所を探すために不動産屋巡りなどもかなりしました。
町の不動産屋もそれなりに物件の情報を持っていましたが、ウェブの検索サイトやケアマネジャーさんからの情報が特に頼りになりました。
入居の手続き
祖母の場合は一人暮らしをしていたので、まずは家の処分をするところから始めました。
業者を呼んで家具の始末を行いました。またちょうど引っ越したいと言っている親戚がいたので家はそちらに売却するかたちで落ち着きました。
荷物の中でも、思い出が多くて捨てられないものやアルバムなどは母の自宅で引き取っています。あまり荷物が多くても邪魔になるので持っていく物はひとまず最小限に抑え、入居日に祖母を施設まで車で送りました。
入居して良かったこと
思考はまだまだしっかりしていますが、やはり高齢になっての一人暮らしは、火事や事故などが起こらないか不安です。
スタッフさんやお仲間と一緒に過ごせる場所に入居させたことで、家族一同ほっとしています。
にぎやかな場所が好きな祖母なので、最初に想像していた生活よりも現在の暮らしを気に入っているようです。
また、今まで面倒を見ていた家族の負担も減り、特に体調を崩している母が治療に専念できるようになったのは良かったです。
入居して大変だったこと
施設側の面会時間などもあって、自宅で暮らしていたころとは違い、自由なタイミングで会うのが難しくなりました。
家族の面会がないと寂しいようですが、家族側も常に施設のスケジュールにあわせて面会に行けるわけではないので、すれ違いから不機嫌になられたり、喧嘩したりといった事態も起こります。
祖母の年金や貯金では足りない分の入居費は親戚で負担していますが、いつまで払い続けるかわからないものなので、こちらも心理的な負担があります。
入居を検討しているかたへのアドバイス
高齢者の暮らしを見守ってくれる施設の存在は、家族にとって、とてもありがたいものです。
別居でも同居でも高齢者の面倒を自分達で見るのが難しくなった場合は、迷わず介護施設を選んだほうが良いと思います。プロのスタッフさんのいる介護施設のほうが、安心して過ごしてもらえるからです。
しかし、お金の問題はどうしても発生します。施設を決める前にあと何年分の資金が必要なのか、どれぐらいのお金がかかると予想されるのかについて、親戚の間でシビアに話し合い、文書に残しておくことをおすすめします。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
<目安>
●前払金 180万円
●月額費用(賃料、管理費、食費) 152,650円
・別途、介護保険自己負担分が必要となります。
・個人医療費、居室の光熱水費、電話代、日用品・介護用品費は別途自己負担
※編集部調べ(該当ホームWebサイトにて確認)