デイサービスからショートステイと段階を経て慣れてから本入居へ【介護施設探しの体験談】

デイサービスからショートステイと段階を経て慣れてから本入居へ【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

目が見えず身体的にも衰えが進む要介護4のおばあさま。自宅介護に限界を感じ、特養へ入居することになりました。しかしご家族は「施設に入所させてしまった」という罪悪感と「これ以上自宅介護することは難しい」という気持ちの間で揺れ動いたとM.S.さんは話してくれました。

デイサービスからショートステイと段階を経て慣れてから本入居へ

【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>特別養護老人ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護4
<入居期間>2005年〜2006年12月
<居住地域>長野県
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

同居していた父方の祖母です。

医療的ケア・疾患、症状など

加齢に伴う身体機能の衰えのほか、失明していました。

入居を決めた時期と理由

祖母は失明していたため施設への入所は不安で、当初は在宅介護と特別養護老人ホームへのショートステイを交互に繰り返しながら、主な介護者である母(長男の嫁)が介護疲れしないように、在宅生活を続けていました。

しかし、軽い脳梗塞と両足の指の壊死の治療のため総合病院へ長期の入院をしたため、退院する頃にはレベルが低下してしまっていて在宅での介護が難しくなってしまいました。そのため、ショートステイで慣れていた当該施設への正式な入所を希望することになりました。

施設の探し方

入居した特養は、在宅のケアマネージャーさんからの紹介でショートステイの利用をしていた施設でした。その施設は以前住んでいた家の近くだったので、祖母も家族も利用前から知っていました。

在宅介護が困難になってしまったときに、在宅のケアマネージャーさんを通じて、祖母の身体の状態を把握してくださっている施設への入所を希望しました。
施設のケアマネージャーも親身になって家族へ連絡をくださるかただったのと、
祖母が施設に慣れていたので、この施設以外は選択肢になかったです。

入居の手続き、ステップ

祖母は目が見えないこともあってデイサービスの利用を嫌がり、在宅で生活していました。身体機能の衰えと若干の認知症が出現してきたことによって、1日中一緒に生活している母が精神的にも身体的にも負担が大きくなってきたので、祖母も家族も以前から知っていた特養のショートステイを利用するようになりました。

しかし、軽い脳梗塞と足の指の壊死によって入院したことにより、介護度が高くなり、退院後は在宅での介護が困難になり、市の入所判定委員会へケアマネージャーさんを通して入所の申し込みをしました。

入居して良かったこと

主な介護者であった母の負担が身体的にも精神的にも軽くなった点です。祖母は失明しており、身体機能も加齢に伴い低下していたので、地震などの災害が発生した際に果たして祖母を連れて逃げられるだろうかというプレッシャーから解放されたようです。

また、目が見えないことで昼夜逆転してしまうことがよくありました。夜中に起きていても本人は昼間だと勘違いしていることが多く、トイレに連れて行ってほしいと家族を起こすことも度々ありました。しかし、祖母が施設に入居したことにより、寝不足などの介護疲れもなくなりました。

入居して大変だったこと

祖母は認知症の症状がわずかだったので、寂しかったのではないかと思います。同居の家族も「施設に入所させてしまった」という罪悪感と、「でもこれ以上介護することは難しいのだから仕方がない」と弁解する心の葛藤がありました。

何十年も前に嫁に行った娘たちから「施設に入れるなんてかわいそうだ」という批判もありましたが、実際に同居して介護している人の大変さや気持ちは介護していない人にはわからないのだなと感じ、精神的につらかったです。

入居を検討しているかたへのアドバイス

住み慣れた自宅を離れることにはとても抵抗があると思います。ですから、介護老人保険施設などで最初はデイサービスの利用から始めて、慣れてきたらショートステイを体験してみる。ショートステイも最初は1泊2日からなど、少ない滞在期間から始めて徐々に日数を増やす。そして必要になったら本入所をする。という段階を踏んでいくと本人も介護者も施設入所に対する抵抗感のハードルが低くなるのではないでしょうか。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★特別養護老人ホームについて詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

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