老人ホームの相談事例<「夫婦で老人ホームに入所するのは最善の選択?>【老人ホームの選び方 vol15】

こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。

老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。

しかし、希望の老人ホームが見つかったとしても、入所後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。

「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。

ぜひ参考になさってください。

1.夫婦で老人ホームに入所するのは最善の選択?

1-1 入所対象者の状況

<性別>夫婦

<年齢>夫:94歳 妻92歳

<介護保険>夫:要介護2 妻:要支援1

<認知症>なし

<必要な医療行為>なし

<既往症>夫:変形性膝関節症、糖尿病 妻:高血圧

1-2 相談内容

ある老健のケアマネージャー様からの相談です。対象者であるご主人様は半年くらい前から自宅で転倒することが増えてきたので、デイケアで通われていた老健に入所されました。奥さまは要支援1でデイケアに週1回通われてはいますが、認知症もなく自立の状態だそうです。

すぐに長女様に電話でご連絡したところ、お父様は老人ホームへの入所に抵抗があるようだが、長年連れ添ったお母様と一緒であれば入所しても良いとおっしゃっているので、ご夫婦で入所できる老人ホームを探してほしいとのことでした。また、お母様はお元気で介護の必要はないので、夫婦別々の部屋に入れることも条件とされていました。

1-3 私の対応

長女様と電話でお話ししてから3日後にご自宅に伺い、お母様も一緒にお話しさせていただきました。お母様は90歳を超えていますが、調理や掃除などの身の回りのこともご自分でできていらっしゃいますし、近くのコンビニくらいまでは走って行けるくらいお元気だと話されていました。

お二人とのお話が終わった後、お母様は別の部屋で待っていただき、長女様ご夫妻とお話しさせていただきました。電話のお話ではご夫婦で入れる老人ホームをご希望されていましたが、『母はまだ元気なので、本当は老人ホームに入りたくないのに我慢しているのでは……』と、悩まれていらっしゃるご様子でした。

また、費用面に関しても、ご夫婦二人の年金だけでは費用を賄えず、貯金を切り崩したり、家族の援助が必要になったりする点も不安に感じられているようです。

お母様がお父様と同じ老人ホームへの入所を本当に望んでいらっしゃるかは別にして、入所することでお母様のお身体の機能低下を招くリスクも高いと考え、『ご自宅の近くの老人ホームにお父様だけ入所していただき、なるべくお母様や長女様が面会に行かれてはいかがですか?』とご提案させていただきました。

長女様、お母様にも私どもの提案に同意されましたので、後日ご自宅から近い介護付き有料老人ホームを3 軒見学していただき、最終的に長女様のご自宅から一番近く面会に通いやすいホームへの入所を決められました。このホームの運営母体は、もともとデイサービスからスタートした会社であるため、ホームにはデイサービス(小規模多機能型居宅介護)が併設、お母様も週に1回そのデイサービスを利用されることになりました。またホーム長の計らいで、その際にお父様に会えるため、お父様、お母様ともに満足されているようです。

1-4 今回の事例のポイント

・ご夫婦で老人ホームに入所することは決して悪いことではありませんが、どちらかがお元気な場合、夫婦で老人ホームに入所することが最善の選択かよく見極める必要がある。

・夫婦で老人ホームに入所する場合、お一人で入所する場合の1.5倍から2倍くらいの費用がかかってしまうので、現実的に難しい場合もある。

2.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、ご夫婦で老人ホームに入所を希望された事例を紹介しました。老人ホーム入所を希望される際は、条件や費用を整理したうえで、それが最善の選択かどうかを見極める必要があります。

その際には、経験豊富な専門家に相談することをお勧めします。

次回も、実際の老人ホームの相談事例を基に解説する予定です。

老人ホームの選び方(介護カレンダー)

記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー

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