末期がんのお父さまに最善の終末期医療を受けさせたいと、ケアマネージャーのアドバイスの下、施設を探したとK.N.さんは話します。
多少費用が高くても地域で最高の医療と介護サービスを提供する施設で父の最期のときを過ごさせたい
【プロフィール】
<入居者>父
<施設種類>その他の施設
<入居年齢>70代
<介護度>要介護5
<入居期間>2017年4月~11月
<居住地域>岐阜県
<話を聞いたかた>次男
入居者との関係
実父です。
医療的ケア・疾患、症状など
父は肺がんを患っていました。そのうえで脳挫傷となり、終末期医療を受けることになりました。
入居後は、たん吸引や経管栄養など、生命を維持するためのサポート全般をしていただきました。
入居を決めた時期と理由
がん治療中に自宅階段から転落して側頭部を強打し、脳内出血からの脳挫傷となりました。生命はとりとめましたが、植物状態で、急性期病院で治療後、ソーシャルワーカーから勧められたケア施設のなかの一つに転院しました。
他のケア施設に比べると、料金は高いですが、サービス体制が整っていること、建物の築年数が新しいこと、また利用者の意見を参考にこの施設に父の終末期を託すことに決めました。
自宅から車で10分以内と比較的近いことや医師の評判も決め手になりました。
施設の探し方
急性期病院で治療を受け、症状が安定すると転院を勧められました。
父の病状で受け入れてくれる病院や施設が少なかったのですが、ソーシャルワーカーから医師による診察と看護師、介護士の連携によるサポートががある医療サービス付きケア施設の存在を知りました。
施設のパンフレットや料金表、かつて利用したことがあるというご家族の話も聞きました。
入居の手続き、ステップ
入居前に医師と看護師が転院前の急性期病院に父の病状を確認しに来ました。
後日、家族と主治医、担当看護師と受け入れ側施設の医師と看護師、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーを交えてカンファレンスを開き、スムーズに転院まで進むように話し合いました。
転院当日はストレッチャーで移動できる介護タクシーをチャーターしました。
居室利用契約書を交わし、各種介護用品レンタル等契約書にサインし、施設での父の生活が始まりました。
入居して良かったこと
自宅で生活ができなくなり、寝たきり等になったりした場合、延命治療は行わないという父の意志はあったものの、家族は寝たきりでも最期まで介護と医療を受けさせたいと、多少料金が高くても地域で最高の医療と介護サービスが受けられる施設で終末期を過ごさせたいと思ったのです。
スタッフの対応や医師の診察も丁寧で安心して預けられる点が良かったと思います。料金が高い分、サービスの質が高く、夜間の見守りもしっかりしていました。
入居して大変だったこと
入所前にソーシャルワーカーから料金が高いという話を聞き、見積もりを取ることで、おおよその料金を把握はしていました。
しかしイレギュラーな費用がかかることもあり、毎月の実費支払いが50万を超えていたことは大変でした。
介護保険をすべて使いきって、実質負担分で1カ月あたり50万円~55万円。
一般的なサラリーマンの収入を大幅に超えていたので、長期化すれば支払いが厳しくなるという不安は常に頭をよぎっていました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
親子である以上、最後まで責任をもって治療と介護を担おうと思っても、現実には介護や医療に非常にお金がかかるのが現実です。
介護される側や介護するご家族の経済状況によって、受けられる介護サービスは異なりますが、本人も家族も納得のいくサービスを受けられるように、ケアマネージャーにしっかりと計画を立ててもらってください。
介護ビジネスの成長により、要介護者がビジネスの材料となっている側面もあり、正しい施設選びのためにもケアマネージャー選びが重要になると思います
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。