こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。
老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら、人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。
しかも、希望の老人ホームが見つかったとしても、入所後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。
「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。
ぜひ参考になさってください。
1.老人ホームの相談事例<透析治療中の夫と別のホームの契約更新しなかった妻。二人一緒に入れる施設はある!?>
1-1 入所対象者の状況
<性別>夫婦
<年齢>夫:83歳 妻:82歳
<介護保険>夫:要介護2 妻:要介護4
<認知症>夫:なし 妻:あり
<必要な医療行為>夫:血液透析 妻:なし
<既往歴>夫:腎不全 妻:高血圧、大腸がん、大腿骨骨折
1-2 相談内容
入居対象は80代のご夫婦。病院のソーシャルワーカーからの紹介で娘さんから、相談がありました。
しばらく前までご夫妻は住宅型有料老人ホームの一人部屋にそれぞれ入所されていました。費用が安く済んでいるという点では満足されていましたが、老人ホームの対応に不満があったお母さまの意向で、契約更新せずにお母さまはショートステイに、お父さまは病院に入院することになりました。
お母さまの老人ホームに対する不満は、「食事を30分で食べさせる」「歩けるのにトイレ誘導せずにオムツ対応のみ」「本人が嫌がることもあるが、入浴させない」「就寝時にパジャマに着替えせさない」などでした。
今回は、お父さまが週3回ホームから透析に通えること。またお母さまが前ホームと同じ不満をもたないよう、介護の手厚い老人ホームをというご希望です。
また、全ホームの一人部屋は狭く感じていたこと、お父さまがお母さまの面倒をみることはないので、多少費用がかかっても別々の居室、お母さまのショートステイの利用期限内、1カ月以内に入所できるというご希望もありました。
予算は二人で月額50万円以内です。
1-3 私の対応
ご相談前に娘さんが既にご自宅のある市内の老人ホームを複数軒、見学していたが候補になるようなホームは見つからなかったとのことで、隣接している市にある老人ホームを探しました。
透析の通院が必要なお父さまのお身体の負担を考えて、老人ホームから透析クリニックまでの距離がなるべく近い、下記2軒をご提案しました。
事前にどちらのホームにも、ご主人は透析通院が必要であること、奥様は以前入所されていたホームの対応に不満があったことを伝え、入所可能か確認しています。
そのうえで、娘さんと<2>の老人ホームを一緒に見学しました。
- 介護付き有料老人ホーム
駅から3分の立地。同じ建物の1階に透析クリニックを併設。看護師が24時間勤務の医療対応に力を入れている - 介護付き有料老人ホーム
駅からバスやタクシーを利用する距離。真向かいに透析クリニックあり。介護付き有料老人ホームを謳っているが比較的元気な方を対象とし要支援のかたも多く入所
<2>を選ばれた決め手は、娘さんのお宅から面会に行きやすい点、またお父さまと話し相手になる入所者が多そうな点です。
入所後、お父さまは問題なく透析クリニックに通院されていること、お母さまはホームに不満などなく過ごされていることを、娘さんよりお聞きしています。
1-4 今回の事例のポイント
・ご夫婦で老人ホームに入所する場合、それぞれの老人ホームに対しての要望をしっかりまとめ伝えること
・透析通院が必要なかたは、近くに透析クリニックがなかったり、老人ホーム側で透析の方の入所枠を決めていたりする場合があるので、場合によっては入所できない可能性もあるので、事前の確認が必要
2.まとめ
いかがでしたでしょうか?
ご夫婦それぞれに事情、要望がある相談例をご紹介しました。特に透析など治療が必要な既往症のある場合は、受け入れが難しいホームも少なくありません。そんなときもあきらめるのではなく、過去の事例や経験が豊富な老人ホーム紹介所などに相談することで、解決策が見つかりますよ。
次回も、実際の老人ホームの相談事例を基に解説します。
老人ホームの選び方(介護カレンダー)
記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー