引っ越しをするなら元気なうちにと、介護付き有料老人ホームの住居棟に入所されたY.T.さんのお婆さま。元気なうちは、サークル活動や広いお風呂を楽しんだり、外出したり、快適な生活を満喫されました。その後、骨折をきっかけに認知症が進み、介護等へ移りました。専門的な知識をもったスタッフが介護してくれることは家族にとっての大きな安心材料になると話します。
元気なうちはホームでの生活を満喫。認知症が進んでもスタッフの手厚い介護に家族も安心<介護付き有料老人ホーム>
【体験者プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<居住地域>兵庫県
<入居年齢>80代以上
<介護度>要支援1
<入居期間>2017年6月~
<話を聞いたかた>孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母方の祖母になります。
入居を決めた時期と理由
震災後、祖母の住んでいた団地が5階建てだったため昇り降りができなくなり、しばらく母の家に同居していました。しかし母の家も周りに坂が多いこと、浴室が2階にあることから、だんだんと坂や階段の上り下りがつらくなっていました。
そのため、いつまでもそこに住むのは無理だと判断、どこかに引越しをするくらいなら、思い切って元気なうちに施設に入居した方が良いのではないかと、入居を決めました。
施設の探し方
施設探しは母が主に動きました。母はインターネットなどを使えないので、実際に自分の足で歩いては場所を見学して探しました。
入所した施設は、母の家からすぐ近くだったのでよく前を通っていました。ほかにも周辺に施設はいくつかあり、3軒ほど見学してここに決めました。
入所した施設はきれいで快適に暮らせそうだったので、家族みんなが気に入りました。近隣の駅へは送迎バスも出ているため、祖母も元気なうちは買物にも行きやすいと喜び、決定となりました。
入居の手続き
まず、祖母が住んでいた団地を引き払い、荷物を整理して、一旦母の家に引き取りました。希望施設は空きがなかったので、すぐに入居できませんでしたが、空いたらすぐに入所できるように準備していました。
思っていたよりすぐに空きが出たので、入居時に元気だった祖母は一般棟に入所することになりました。荷物の運搬や片付けは、業者には依頼せず、すべて母とわたし、親戚で対応しました。
入居して良かったこと
元気なうちは館内のサークル活動を活発に参加し、趣味を活かせるうえに友達もできてとても楽しんでいるようで良かったです。
コーラスや手芸をみんなで楽しんだり、広いお風呂に喜んで入ったり、何より入居者のかたたちとコミュニケーションを取れたことが何より良かったと思います。
しかししばらくして骨折、認知症が進んでしまったため、介護棟に移りました。
認知症になってからもスタッフの皆さんに親切にしてもらっていたので安心できました。何かあっても家で見るのは難しいので、専門的な人がそばにいてくれたのは何よりでした。
入居して大変だったこと
元気なうちは何も問題ありませんでした。しかし骨折して認知症になってからは、館内で叫ぶなど、スタッフのかたに迷惑をかけることもあったようです。
私たちが面会に行くと、帰るときに祖母が泣いてしまってなかなか帰りづらいこともありました。ときに荷物をすべてまとめて家に帰ろうとしていたこともありましたが、認知症なので祖母自身はよくわかっていないようでした。そういうときも困りました。
コロナになってから館内で感染者が出たときなどの不安もありました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
どれくらい元気なのかによって、施設での過ごし方は大きく変わります。元気ならば、いろいろな楽しみがある施設を選ぶべきです。病気の場合は、専門的なスタッフがどの程度のことをしてくれるのかがポイントになると思います。
また、家族との面会方法や入居者がどの程度外出できるかなども、しっかり確認しておくことが大切です。できれば施設から見える景色がきれいな場所がいいと思います。へんぴな場所にある施設も多いようですが、やはり窓から見える景色は入居者のメンタル面で重要になると思います。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
原則として満65歳以上で入居時に自立または要支援であるかた
●入居一時金:<住宅棟の場合>3,120万円〜8,960万円(居室の広さや人数による)
●月額利用料:<管理費>93,500円(税込)一人利用の場合
<食費>66,000円(税込)
その他、水道・光熱費、電話代、新聞購読料、クリーニング代、理美容などは
自己負担。また要介護時になった際は介護費用、また必要なおむつ代等実費相当分
※編集部調べ