現在90代の義母を介護しています。歯医者さんに入れ歯の調整で自宅に来ていただいたのをきっかけに、月に一度口腔ケアを受けるようになりました。口腔ケアを受け始めたら、入れ歯の調子も良くなり嚥下(えんげ)機能が改善したお話を紹介します。
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義母の入れ歯の調子が悪くなり…
脳梗塞(のうこうそく)の後遺症で体の左側にまひがあり、食べ物を飲み込みづらくなっていた義母が、入れ歯を入れると痛いと言いだしました。
そこで、入れ歯を作っていただいた歯医者さんに連絡して、家まで来て診ていただいたところ、飲み込む力が弱くなったせいでかむことが減り、歯茎の形が変わってきたとのこと。歯茎の形に合うように入れ歯の樹脂の部分を削ったり、樹脂を付け足したりして調整していただきました。そのおかげで、入れ歯を入れて食事をしても痛みなく食べられるようになったようです。
口腔ケアを開始する
そのとき、歯医者さんに口腔ケアを受けることを勧められました。なんでも口の中には細菌がたくさんいて、常に清潔にしておかないと病気の原因になることもあるのだそうです。それまでは義母に食事の後にうがいをさせるくらいだったため、早速、次の週から口腔ケアをお願いしました。
まず入れ歯を取ってから、専用の柔らかいスポンジブラシで口の中の汚れをかき出していただきました。歯がなくなり歯の根っこだけが残っている状態の歯茎の中にも小さなごみがたまっているとのことで、小さなブラシでかき出します。さらに舌の上にも細菌がいっぱいあるとのことで、舌の上も舌専用ブラシでやさしくこすってもらい、最後に口腔用の濡れティッシュで口の中を拭いてもらいました。義母も口の中がスッキリした様子でした。
口腔機能改善の効果も
歯医者さんによると、口腔ケアをすることで唾液の分泌が良くなり、しいては飲み込む機能の改善にもつながるのだそうです。さらに、誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気道に入ること)の予防にもつながるとのことでした。
また、口の体操も教えていただきました。まず大きな口で「あ・い・う・え・お」とゆっくり発音。これを10回繰り返します。さらに「パタカラ」「パタカラ」と50回ほど早口で繰り返します。
先生によるとこの口の体操をすることで、のどの筋肉が鍛えられ飲み込む力が改善されるだけでなく、顔の血流も良くなって、脳にも刺激が伝わり認知症予防にもつながるのだそうです。
まとめ
最初のうちは週1回、半年たった今では月1回ずつ口腔ケアを受けていますが、そういえば最近義母が食事中にむせ込むことが少なくなったような気がします。
脳梗塞の後は流動的な物しか食べられなかったのですが、半年たった今では、果物やトマト、かぼちゃ、じゃがいもなど柔らかい物ならかんで食べられるようになりました。今後も口腔ケアと口の運動は続けていこうと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
文/ラベンダーミント