<FPと考える>親の介護が心配。いざというときの相談先は?

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの前佛(ぜんぶつ)です。私は家計改善のアドバイスのほか、整理収納アドバイザー1級を取得し、暮らし全体の整え方もお伝えしています。介護カレンダーでは親の介護をはじめ、将来介護が必要になったときに役に立つ情報をお伝えしながら、介護にまつわる大切なことを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

親が高齢になると、徐々に身体機能や判断能力の衰えが気になるようになります。「そろそろ介護が必要かも…。」そう感じたとき、どこへ相談すればいいのでしょうか?また、実際に介護が始まってからも家族の不安は尽きません。そこで今回は、はじめて親の介護をするときや判断能力の不安が出てきたときの相談先のほか、高齢者に起こりがちな日常生活の悩みに対する相談先をご紹介します。

■はじめて介護をするときの相談先

親が高齢になると、体力や身体機能の衰えに気づくときがあると思います。日常生活にも不安を感じるようになったときは、介護を始めるタイミングが来ているのかもしれません。
そんなとき、相談先として利用できる公的機関をご紹介します。

□自治体の介護福祉担当窓口
「そろそろ介護が必要なのでは?」と感じたら、役所の介護福祉担当窓口に相談してみるとよいでしょう。要介護認定の申請もできるので、要介護・要支援に認定されれば、介護保険サービスを利用できるようになります。また、本人だけでなく、家族からの相談にも対応してくれます。

□地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう支援する公的機関です。保健婦や社会福祉士、ケアマネージャーなどの専門員が配置されており、高齢者の日常生活や介護、医療などの総合的な相談窓口となっています。要介護認定の申請窓口にもなっているので、最寄りのセンターへ相談してみるとよいでしょう。

■日常生活に支障が出てきた場合の相談先

高齢になると、だんだんと日常生活に支障が出てくるようになり、ひとりで買い物や通院するのが難しくなったり、金銭管理ができなくなったりする場合があります。
そんなときの相談先は「社会福祉協議会」です。
社会福祉協議会は福祉の総合窓口で、都道府県や市町村に設置された、高齢者や障害者、子育て世帯の相談先として利用できる民間組織です。
高齢者に対しては、日常生活に支障が出てきている人に対し、見守りや買い物、通院などの付き添いなどの支援を行っています。また、判断能力に不安がある場合には、金銭管理や福祉手続きのサポートも依頼できます。さらに、社会福祉協議会は成年後見制度を利用する際の相談窓口にもなっています。
特に、離れて暮らす親が認知機能の衰えで日常生活や金銭管理に支障が出てきているときは、相談してみるとよいでしょう。

■高齢者の生活全般の相談先

各都道府県には、「高齢者総合相談センター(シルバー110番)」が設置されているのをご存じですか?シルバー110番では、高齢者の日常生活における悩みや、医療・介護・法律・年金・税金など生活に関わること全般の相談ができます。また、高齢者本人だけでなく、家族からの相談にも対応してもらえます。
シルバー110番へは、「#0808」とダイヤルすれば、直接センターにつながります。相談料が無料ですが、通話料はかかります。日常生活の悩みや不安に感じることがあるときは、気軽に利用してみるとよいでしょう。

■その他の相談先

すでに要介護認定を受けていて要介護1~5に認定されている場合、在宅介護に悩みがあるときは、最寄りの「居宅介護支援事業所」へ相談できます。ここはケアマネージャーが常駐しており、近隣に住む高齢者の介護に関する相談を受けています。
また、病気で入院している人が退院するときは、医療機関の医療ソーシャルワーカーに相談するのもよいでしょう。退院後は日常生活の不安が生じやすく、介護が必要になる場合もあります。そんなとき、医療機関のソーシャルワーカーへ相談すれば、医師や看護師、行政機関などにつなげてもらえるので、退院後の生活に対する不安を減らせるでしょう。

■まとめ

親の介護が心配になったときは、自治体の介護福祉担当窓口、もしくは最寄りの地域包括支援センターに相談することをおすすめします。また、高齢者は日常生活の悩みを相談できる機関に、高齢者総合相談センター(シルバー110番)があります。介護だけでなく、法律に関することやお金に関する悩みも相談できます。「#0808」へダイヤルするだけでつながるので、いざというときは利用してみてはいかがでしょうか。

<プロフィール>前佛 朋子(ぜんぶつ ともこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)/ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 整理収納アドバイザー1級 / 自分史活用アドバイザー
『安心と心のゆとりのある暮らしができる人を増やしていく』という理念のもと、1人でも多くの人に安心できる暮らしと心の余裕を手に入れていただこうと、家計見直しやライフプランなどの相談業務を行う。ライフイベントに合わせて貯蓄や用途を分類するお金の整理を得意とする。また、離れて暮らす母の介護に関わった経験を活かし、遠距離介護などの相談も受ける。保険や金融商品を売らないファイナンシャルプランナーとして活動中。
ホームページ:家計コンサルティングZEN

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