72万7277人。昨年1年間に生まれた赤ちゃんの数だ。前年から4万3482人減って過去最少を更新したことが、厚生労働省が5日に公表した2023年の人口動態統計(年計概数)で明らかになった。
出生数が減るのはこれで8年連続。政府は「異次元の少子化対策」を掲げているが、長引くトレンドを反転させる成果は未だ出せていない。昨年の合計特殊出生率は1.20。前年より0.06ポイント低下し、これまでで最も低くなった。
少子化は労働力人口、若者の減少による経済成長の停滞、社会の活力の低下を招く懸念があるほか、一部地域の過疎化や住民サービスの低下などを加速させる恐れもある。中長期的に医療、介護、年金など各制度のファイナンスにも影響を及ぼす。国民の将来不安を引き起こす大きな要因の1つで、今後の社会保障改革をめぐる議論にも強いインパクトを与えることになる。
厚労省の担当者は少子化が更に進んだ要因について、「コロナ禍や婚姻数の減少、晩婚化などが影響している」と分析。「政府全体で、前例のない規模で子ども・子育て支援策を抜本的に強化していく」と述べた。
他方、昨年1年間の死亡数は157万5936人だった。前年より6886人増えて過去最多を更新。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は、これまでで最も大きい84万8659人となった。
提供元:介護のニュースサイトJoint