厚生労働省は20日、介護施設で新型コロナウイルスに感染して亡くなった高齢者の人数について、前日の19日時点で少なくとも61人にのぼると明らかにした。
このうち、介護施設内で亡くなった高齢者は23人。これまでに自治体、施設が公表したもののみを集計した数字で、実際は更に多い可能性がある。
この日の衆院・厚労委員会で、介護分野を担当する老健局の大島一博局長が、野党共同会派の中島克仁議員の質問に対して答えた。
大島局長は介護施設内で23人が亡くなった要因について、「地域の病床が逼迫し、入院までに調整を要した」と説明。本人の心身の状態などを踏まえ、親族らが望んだケースも一部にあったとした。
中島議員は欧米の介護施設で多くの高齢者が亡くなっていることに触れ、国内の対策を強化すべきだと主張。「そのためにはまず、もっと詳しく実態を調べないといけない。まだまだ不十分だ」と正した。
加藤勝信厚労相はこれに対し、「亡くなられた方のそれぞれの経緯も含め、実態をしっかり把握していく必要がある」と答弁。今後、より詳細な調査の実施を検討していく構えをみせた。