<編集部ピックアップ施設>は、介護カレンダー編集部がネット上で探してきた特色ある高齢者向け施設や工夫を凝らしたさまざまな取り組みをご紹介します。
第2回は、大阪府住之江区の「特別養護老人ホーム『加賀屋の森』」です。「加賀屋の森」では、コンパニオンアニマルとして犬1匹と猫4匹が一緒に生活、入居者の皆さんの笑顔を引き出しています。
今回ご紹介するのは大阪府住之江区の特別養護老人ホーム「加賀屋の森」のコンパニオンアニマル。現在は、柴犬のいおりと、4匹の猫シロ、トラ、美空、ひばりが、入居者とともに施設で生活しています。
「コンパニオン」は、「仲間」や「伴侶」を意味する言葉。「加賀屋の森」では、古くから人間と一緒に生活してきた犬や猫などを「コンパニオンアニマル」として迎え、家族の一員としています。
「加賀屋の森」にいるコンパニオンアニマルは、保護された動物たちだそうですが、みなとても穏やか。人に対して吠えたり威嚇したりすることはありません。
柴犬のいおりと猫のシロとトラは、ふだんは動物たち専用のコンパニオンルームで生活しています。入居者は1日3回(1回30分〜1時間程度)の「ふれあいタイム」にコンパニオンルームを訪れ、彼らとの時間を楽しんでいます。
また、いおりとシロ、トラは、各ユニットへ出かけていって、大好きな入居者の皆さんと「ふれあいタイム」を過ごすこともあるそうです。車いすで移動が難しいかたに会うことができたり、複数のかたが一度に触れ合ったりできるのも魅力です。
美空とひばりの2匹の猫が暮らすのは、ショートステイのユニット。入居者のみなさんと毎日楽しい時間を過ごしています。2匹の存在は入居者の生活の一部。「2匹と触れ合うことが何より楽しみ」と、入居者は話してくれました。
入居者の動物たちとの接し方はさまざま。なでながら動物に話しかける人もいれば、動物のそばに座って一緒にテレビを見る人も。動物たちが入居者に与える影響は大きく、なかには、猫と遊んでいて今まで上がらなかった手が上がるようになった人や、興奮状態になったときに動物と接することで心の落ち着きを取り戻せるようになった人もいるそうです。さらに、入居者同士、入居者とスタッフ、スタッフ同士で動物たちの話題が生まれ、笑顔になる時間が増えたといいます。
人と動物が一緒に生活をして、お互いに幸せを感じられる「加賀屋の森」。とても魅力的な施設だと感じました。