アンケート結果と体験談から考える「親のこれから」

「介護施設探しの体験談」を拝見していると、それぞれの家族にそれぞれの介護施設探しの形があることを実感しています。また、ご家族の介護探しに奔走したり、心を痛めたりされている様子が感じ取れます。

今年8月、千葉県に本社のあるひまわりライフサービス株式会社が50~60代の男女に1,166人にインターネットで「親の介護」関する調査を実施、その結果を公開しました。介護カレンダー編集部では、その結果と「介護施設探しの体験談」に寄せられた家族の声を基に、改めて「親のこれから」を考えてみました。

調査概要:親の介護に関する調査
【調査日】2020年7月22日(水)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,166人
【調査対象】50代~60代男女
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

6割を超える親子は「親の今後」について話をしていない


親に施設への入居を薦めるのは「自宅での介護に限界を感じたとき」

「親に老人ホームの入居を勧めようと思うタイミングを教えてください(複数回答可)」という質問には、以下の回答がありました。
自宅での介護に限界を感じた時(49.7%)
親が自ら施設入所を希望した時(46.0%)
親の病気(認知症含む)が進行した時(34.6%)
医師やケアマネジャーなどの専門家から勧められた時(27.7%)
仕事の関係等で親の面倒を見られなくなった時(18.5%)
介護者が増えた時(7.0%)

この回答は、介護カレンダーに寄せられた体験談と重なりました。特にギリギリまで家族が介護していて心身ともに限界となってから、施設を探すかたが多くを占めています。「親を施設に入居させる後ろめたさ」を感じているかたが一定数いることも「体験談」から読み取れます。


約7割の人が施設へ入居する流れを知らない

多くのかたは心身ともに限界を感じてから、施設を探し始めているようです。ケースにもよりますが、特に人気のある施設は入居まで1年待ちということも。転ばぬ先の杖ではないですが、できれば親が元気なうちに、施設への入居を含めたこれからを話し合っておくと良いかもしれません。

気になる費用。いくらあれば施設に入れる?

「老人ホームの月額費用はどのくらい掛かると思いますか?」という質問には、以下の回答がありました。
16万円~20万円以下程度(29.9%)
11万円~15万円以下程度(25.4%)
21万円~25万円以下程度(13.8%)
10万円以下程度(13.0%)
26万円~30万円以下程度(7.2%)
51万円以上程度(7.1%)

老人ホームの費用は、所在地によっても大きく変わります。また、有料老人ホームの場合は、月々支払う費用の他に入居金もかかります(入居金のない場合は月額の支払額が高くなることがほとんどです)。加えて、ホームに支払う月額費用以外に、介護保険の自己負担や医療費、消耗品費なども発生します。「体験談」でも「思っていた以上に支払額が高く、どこまで払い続けられるか不安」という声も聞こえてきます。

これらも含めて、親がある程度元気なうちから、資産や収入なども含めた「これから」を話し合うことをお勧めします。

いくつになっても子どもにとって親は強い存在。弱っていく姿を見るのはつらいものです。多くのかたが弱っていく親の姿は見たくない、想像したくないと思われると思いますが(この記事を書いている介護カレンダー編集部員も同じです)、誰もが避けられない道です。
このアンケート結果を見ながら、できる限り冷静に、そして計画的に、親と一緒に「これから」を考えたいと思いました。
(介護カレンダー編集部)

情報提供:ひまわりライフサービス株式会社

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