介護施設で万が一の事故が起きてしまった際の報告について、厚生労働省が統一的な報告書の様式を新たに作成・通知した。2021年3月19日に発出した介護保険最新情報のVol.943で広く周知している。
特養、老健、介護医療院などの施設は、例えば転倒や転落、誤嚥・窒息、誤薬といった事故を自治体へ報告するよう定められている。ただ、報告の基準は市町村によってまちまち。情報提供の範囲などにも違いがあり、現場の関係者から改善を求める声があがっていた。
統一的な報告書の整備には、事故の状況などをより詳しく比較・分析できるようにする狙いもある。これを有効な再発防止策の展開につなげていく方針が、昨年末の審議会の報告書に盛り込まれていた。
※ 報告は施設や職員の懲罰を目的としたものではない
厚労省は今回の通知で、原則として必ず報告すべき事故の対象範囲として、
○ 死亡に至った事故
○ 医師(施設の勤務医・配置医を含む)の診断を受け、投薬や処置など何らかの治療が必要となった事故
の2つを明記。「その他の事故の報告は、各自治体の取り扱いによるものとする」との認識を示した。
厚労省は報告書の様式を、
1. 事故状況
2. 事業所の概要
3. 対象者
4. 事故の概要
5. 事故発生時の対応
6. 事故発生後の状況
7. 事故の原因分析
8. 再発防止策
9. その他(特記事項)
で構成。施設は「遅くとも事故発生後5日以内を目安」に、このうち1から6までを「第1報」として報告すべきと規定した。残りの7以降については、「作成次第報告すること」としている。また、「報告書は電子メールによる提出が望ましい」とも記した。
厚労省はこの様式を、グループホームや特定施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などにも使うよう要請。「居宅サービスの事故報告でも可能な限りご活用頂きたい」と呼びかけている。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint