介護事業者の倒産、年間最多に 休廃業・解散も最多ペースで推移

介護事業者の倒産、年間最多に 休廃業・解散も最多ペースで推移


2020年、介護事業者の倒産が過去最多を更新した。東京商工リサーチが12月3日に緊急レポートを出して明らかにした。

それによると、今年、2020年1月から今月2日までの介護事業者の倒産は112件。年末まで1ヵ月ほど残っているが、過去最多だった昨年の件数(111件)を既に上回った。

2020年「老人福祉・介護事業」の倒産状況

要因は複合的とみられている。従来からの人手不足や競争の激化などに加え、新型コロナウイルスの流行も少なからぬ影響を与えた。事業者は人材の確保がより難しくなり、感染リスクを嫌ったサービスの利用控えにも直面。追加的な出費も強いられることになった。

倒産件数をサービスごとにみると、ホームヘルパー不足が深刻な「訪問介護」が52件(全体の46.4%)と半数近くを占めている。このほか、「通所・短期入所」が36件、「有料老人ホーム」が10件、「その他」が14件だった。負債1億円未満が全体の80.3%を占めるなど、中小零細の倒産が特に目立つ。

一方、今年1月から10月までの介護事業者の休廃業・解散は406件。この時点で昨年1年間の総数(395件)を上回った。今のペースで推移すると、445件で過去最多を記録した2018年を大幅に上回る可能性が高い。

東京商工リサーチは、「ここへ来て感染者が再び増加し、収束の道筋が見通せない。事業意欲を喪失する経営者が増え、休廃業・解散を押し上げる要因になった」と分析している。あわせて、「コロナ禍で経営体力が落ち込む事業者が増えている。影響が長期化し、既存の支援策の効果も次第に薄まってきた。感染拡大の動向次第で、事業継続に向けた追加支援も必要になる」と指摘している。

情報提供元:介護のニュースサイトJoint

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