新型コロナウイルスの対策を話し合う政府の専門家会議が29日に会合を開き、最新の現状分析と提言をまとめた。
介護・福祉の現場についても言及。流行が下火になってきている地域では、次の新たなクラスターが自分の近くで発生することを想定した準備に注力すべきと促した。
職員に感染者、濃厚接触者が出るとサービスの担い手がいなくなってしまうことを念頭に、「人材不足に備えた対策が肝要」と指摘。自治体や現場の関係者に対し、有事の際に職員を確保、派遣できるスキームを地域の実情に応じて作っておくよう呼びかけた。
また、訪問介護などの代替サービスを円滑に確保する方策をあらかじめ検討しておくことも要請。政府に対してはサージカルマスク、ガウン、ゴーグルなど物資の確保に加え、利用者、職員向けの検査体制を拡充することも注文した。
専門家会議の尾身茂副座長は会見で、「施設などでのクラスターはこれまでもあったし、これからも恐らくある」と強調。「そうした事態が起きた場合はどうするのか、ということをある程度決めておいた方がいい。各自治体、地域の取り組みが非常に重要になる」と述べた。