<編集部ピックアップ施設>では、介護カレンダー編集部がネット上で探してきた特色ある高齢者向け施設や、工夫を凝らしたさまざまな取り組みをご紹介しています。
今回ご紹介する施設は、埼玉県越谷市の「ゆとり庵北越谷」です。
2021年3月1日にオープンしたばかりのこの施設の特徴は、越谷市で初となる医療ニーズの高い方の受け入れが可能な看護小規模多機能型居宅介護が開設したこと、また、認知症と診断を受けたかたが共同生活を送るグループホームや施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や自宅への「訪問」を組み合わせた小規模多機能型居宅介護、そして、サービス付き高齢者向け住宅など8つの事業所を集め、互いに連携しながら入口から出口(在宅復帰)まですべてのサービスを1カ所で提供しているという点です。
「自分に最も適したサービスをワンストップで選ぶことができます。また状態の変化に応じてさまざまなサービスの提案を一緒に共有、想像できることが、利用者様にとってのメリットになります」(稲田施設長)
地域密着型サービスは、2006年4月の介護保険制度改正により認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、できる限り住み慣れた地域で継続して生活ができるように創設されたサービスで、所在地域の居住者が利用することを基本に、利用者それぞれのニーズにきめ細かく応えることをめざしています。
「多様な利用者、多様な機能をもつ施設が実現すれば、それはより多くの地域住民が関わる場となり、自然と地域の拠点になりやすいと考えています」(稲田施設長)
高齢者が新しい環境へ適応するのはなかなか難しいともいわれています。認知症になっても、介護度が高くなっても、住み慣れた地域で、顔なじみの人のなかで暮らしていける地域密着型複合施設「ゆとり庵越谷」への期待は高まるばかりです。
(介護カレンダー編集部)
取材協力、画像提供:日の出医療福祉グループ