財務省は2021年4月15日の「財政制度等審議会」で、介護サービスの利用者の自己負担を原則2割へ引き上げるよう改めて提言した。
支え手の現役世代が急減していくこと、高齢者が更に急増していくことを理由にあげた。40歳以上の保険料の伸びを抑制し、介護保険制度の持続可能性を確保するために欠かせないとしている。
現行の利用者の自己負担は、所得に応じて1割から3割。ただ2割負担、3割負担の利用者は全体の約9%で、残りの9割超は1割負担となっている(介護保険事業状況報告:2020年12月分)。
財務省はこれを踏まえ、「利用者負担の更なる引き上げをはじめとした給付範囲の見直しに取り組む必要がある」と指摘。会合に出席した委員からも、「現役世代や企業の負担軽減、世代間格差の是正などの観点から、2割負担の対象を拡大していくべき」といった声が相次いだ。
財務省は今後、こうした提言を来月にもまとめる”春の建議”に盛り込む方針。政府が6月にも決める今年度の「骨太方針」に反映させたい考えだ。利用者の自己負担の引き上げは、2024年度に控える次の制度改正をめぐる大きな焦点の1つとなる見通し。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint