介護施設の面会制限の緩和にワクチンパスポートの活用を − 。日本経団連の主張だ。公式サイトに掲載した新たな提言の中に盛り込み、政府へ具体化を促している。
経団連の提言は、デジタル形式のワクチンパスポートの早期導入を求めるもの。「社会経済活動の回復に有効。ワクチン接種者の需要を喚起し、自粛などによって委縮した地域経済、各業界の活性化が期待される」と説明している。必ずしも出入国の際だけに留まらず、国内で幅広く活用することも含めて要請する内容だ。
経団連は具体的な使途について、「各種割引・特典の付与」や「国内移動・ツアーでの活用」「活動制限の緩和」などのニーズが高いと指摘。介護施設や医療機関の面会制限の緩和に使うことも提案した。
ワクチンパスポートを介護現場で活用することについては、接種しない人、あるいはしたくてもできない人が不当な扱いを受ける結果を招きかねない、という慎重論も根強い。経団連は提言で、「ワクチンパスポートが差別や偏見につながらないよう、合理的な配慮を行った上での活用が必要」としているが、どこまで実効性を担保できるかは不透明だ。
政府は今月下旬から書面のワクチンパスポートの発行を始める予定。当面は海外渡航者らの国外利用のみを想定している。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint