「ダブルケア」とは、「子育て」と「親や親族の介護」を同時に担うことをいいます。昨今、少子高齢化や女性の社会進出に伴う晩婚化や高齢出産の増加などを背景に、社会問題として注目されるようになりました。
このたび介護カレンダーでは、姉妹サイトであるベビーカレンダーの会員の皆さまを対象に「ダブルケアに関するアンケート」を実施。1063人の回答がありました。
Q.ダブルケアという言葉を聞いたことがありますか?
「ダブルケア」という言葉を「聞いたことがない」は全体の71%、「聞いたことがあり、意味を知っている」18%、「聞いたことはあるが意味は知らない」11%となりました。ニュースなどで話題に上ることは増えていますが、子育てに忙しいママ、パパにはまだまだ届いていないのかもしれません。
Q.「ダブルケア」を経験したことはありますか?
少し前になりますが、平成28(2016)年4月に内閣府男女共同参画局が実施した「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」では、「就業構造基本調査により推計されるダブルケアを行う者の人口は約25万人」、そのうち「ふだん育児をしている」「ふだん介護をしている」の両方を選択した者を「ダブルケアを行う者」として集計。「15歳以上に占めるダブルケアを行う者の割合は約0.2%、育児を行う者に占める割合は約2.5%」という結果が出ています。
時期は異なりますが、今回は「ダブルケアを経験中」「過去に経験したことがある」と答えた人は約4%。時間の経過を考慮すると近い結果が出たように感じます。
これからも「ダブルケア」をする人は増えていく!?
今回の調査で特筆すべきは、「ダブルケアを現在経験中」「過去に経験したことがある」と回答したかたの多くが、「ダブルケアという言葉を聞いたことがない」「知らない」と答えていることです。子育てをしながら介護をしている「ダブルケア」というご自分の状況に気付いていない、というかたが一定数存在していることが予想できます。
現在「ダブルケア」に直面しているかたはもちろん、直面しているけれど気付いてない方が一定数いるということでしょう。また、今はまだ「ダブルケア」に直面していないかたも、いつ当事者になってしまうかはわかりません。
核家族化だけでなく、高齢社会に加えて、兄弟が減り、親戚や地域の人との付き合いも希薄になっている昨今、「ダブルケア」を余儀なくされる人は間違いなく今後も増えていくことが予測されます。
今回の調査で、「ダブルケアを現在経験中」「過去に経験したことがある」と回答したかたの半数近くが「ない」「わからない」と回答していますから、まだまだ、その存在を知らず、孤軍奮闘している姿が想像できますね。
しかし、国や自治体の多くが、「ダブルケア」を大きな社会問題として捉え、「ダブルケア」に関する相談窓口や育児支援や介護支援の制度を拡充しています。
「ダブルケア」を経験されているというかたは、ぜひ、一人で抱え込まず、窓口に相談したり、お住いの自治体の支援制度をうまく活用したりすることをオススメします。
(介護カレンダー編集部)
「ダブルケアに関する調査」
調査期間:2021年7月7日(水)~2021年7月12日(月)
調査件数:1,063件