笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第8回>私が介護する? リハビリ病院への転院 ひと安心と思いきや…

笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第8回>私が介護する? リハビリ病院への転院 ひと安心と思いきや…
連載タイトルPIC

介護カレンダー編集部が見聞きした「介護」にまつわる情報をさまざまな観点からお届けします。

明るく元気だった母が「アルツハイマー型認知症」、そして脳内出血。
何が何だかわからないまま、急性期の病院からリハビリ病院へ。
ほっとした矢先にまた……

転院先が見つからない!?

母の転院先を、病院の相談員さんが一生懸命探してくれるものの、認知が入っているとなかなか受け入れ先が見つからず、かなり難航しました。

母の住民票がある都内は全滅、私の希望する地域も全滅です……。

この段階の母はほとんど言葉を発することもなく、記憶もおぼろげで、かろうじて私と弟、孫たちがわかるだけでした。

でも、「もしかしたら以前みたいに回復するかしら?」と、娘としては希望を捨てきれず、悶々とする日々でした。

相談員さんの努力の甲斐があって、私の自宅から通える範囲のリハビリ病院に転院できたのは、脳内出血で倒れてから1カ月半後。

調べてみると、『リハビリ専門病院は、怪我などの理由で入院した場合、入院期間は3カ月。ただし、脳内出血を起因としている場合は、半年間の入院が可能』とあったので、「あ〜、これで少しは落ち着けるかな」と淡い期待をしてしまったのでした。

なのに……

入って早々、退去勧告?

せっかく転院したのに、入院して1週間ほど経った頃に、狭い相談室で有料老人ホームのパンフレット数冊を手渡されたうえに、「次の場所を決めるのは、なかなか大変です。時間もかかりますので、早めに動いてくださいね。もちろんこちらでも探してみますが」と医師と看護師、相談員さんから言われました。

もう、淡い期待なんて吹っ飛んで、目が点になりました。

母は相変わらず言葉は出ず、認知機能はあまり改善しないものの、体は徐々に元気になってきているので、歩行訓練中。

まだ歩ける状態ではないのに、すぐに車椅子から立ち上がって壁を伝ってよろよろと勝手に移動してしまいます。

転んだら骨折ですから、これは病院としては絶対に避けたい!
そのため、まるでベビーカーかジェットコースターにように、車椅子に補助具で括り付けられています。

ところが! 目を離した途端、引田天功ばりのイリュージョンで、車椅子からの脱出! 看護師さんの目も点になっていました。

また、食事中は、他の音や動きが気になるのか、食べることに集中できないので、試行錯誤のうえ部屋の隅っこに衝立を立てて、みんなとは離れておひとり様ご飯です。

もちろん、手も上手に動かせないので、職員の人がつきっきりにならなくてはならないのですが、人手が足りないのか放置されることもしばしばです。

できるだけ、私が食事の時間に面会に行き、食べさせるようにはしていましたが、わずかな音にも反応して、突然挙動不審になったと思うと食事が中断してしまいます。

そんなことが起きるたびに押さえつけなければならないのですから、私も一苦労です。

そうか! 「手のかかる患者は、早く出て行ってね!」と言うことね……。
なんて、ひねくれた考えも頭をよぎりました。

誰に相談したらいいの?

このリハビリ病院ですが、内容はすごく良かったです!
リハビリの種類が、歩行訓練、マッサージ、言語訓練などたくさんあって、
毎日、短時間で数種類をこなしていました。

また、食後などの食堂に人が集まった際には、みんなで折り紙をしたり、色塗りをしたりと、集団で楽しいこともあったみたいです。

母は、1日1回はイリュージョンをやってしまうので、看護師さんやヘルパーさんには、たくさんお手数をおかけしてしまいましたが、母にとってはとても良い環境に感じました。

おかげで、母の脳も体も、緩やかだけれども、明らかに回復に向かっていることがわかりました。できることなら、このままずっとリハビリ病院にいてほしいくらい!

それでも、病院の要望があるのですから、少しでも早く次の転院先を探さなくてはなりません。

でも、施設探しで何が困ったって、相談する相手がいないこと。

右も左も分からない、介護のこと。
知り合いに詳しい人もおらず、本当に途方に暮れました。

とりあえずできることは?と、時間を見つけては、ネットで情報収集。
病院から渡されたパンフレットはどれも有料老人ホームのものだったので、まずは有料老人ホームから検索することにしました。

が、これがびっくりするほど高い!

もちろん母の年金で収まるところもあるけれど、ホームの値段=介護の質と、ニュースで見たことがあるから、安いところは不安です。

あ〜〜、どうしたらいいの?


参考までにお金の話

●最初に入院した総合病院に支払ったお金

 1カ月 約45,000円

●次のリハビリ専門病院 

 入院した最初の月(個室しか空いておらず、4日間なのに)約10万円

 2カ月目 約4万円

 3カ月目 約7万円

 4カ月目 約2万円

●その他

・歩行器レンタル 1万円
・リハビリ用の靴 約15,000円

ちなみに……
このリハビリ用の靴ですが、言われた業者で購入すると約15,000円
その後施設に入った後は、施設に来る業者で同じようなものを購入
やはりそのくらいの値段で……
あとになってネットで見たら、同じようなものが、2,000円〜5,000円で売ってました。

ショック!

ここに記載されている内容はあくまでも個人の体験であり感想です。

<プロフィール>なかお わかこ
1965年生まれ。 家族は、夫と息子3人、犬2匹。弟。 主婦であり、酵母パンやマクロビ料理主宰、ウェブサイトの運営など。 父 脳内出血後、半植物となり、1年間の病院での療養を経て、69歳で他界(2004年)。 母 軽度のアルツハイマー型認知症発症。脳内出血で病院に入院。特養を経て2021年自宅で看取る 。

体験談募集中!

体験談募集中!

介護カレンダーでは「介護施設探しの体験談」を募集しています。

入居を検討している方へのアドバイスとして、介護施設探しでの貴重な体験を記事にしてみませんか。

編集部コラム

編集部コラムの最新記事