笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第11回> 特養・申請1回目で母が特養に入れた! 私がやったことは? わたし流・特養の選び方 その②

笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第11回> 特養・申請1回目で母が特養に入れた! 私がやったことは? わたし流・特養の選び方 その②
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介護カレンダー編集部が見聞きした「介護」にまつわる情報をさまざまな観点からお届けします。

明るく元気だった母が「アルツハイマー型認知症」、そして脳内出血。
思いもよらず、リハビリ病院からの転院先を探すことになりました。
家族で相談して、高齢者向け施設への入居を決めましたが、誰に相談したらいいのか?
どうやって情報を集めたらいいのか、わからないことばかりです……

<第11回>では、前回(第10回)「申請1回目で母が特養に入れた! 私がやったことは?」の続き。私が一番大切だと思った「見学=面接」でのポイントをお話しします。

私の経験が読んでくださるかたの役に立ちますように。

4.見学=面接でのポイント(ここ重要です!)

見学といっても、面談に近い感じがあります。

自分や母の状況(名前や住所、家族構成など個人情報はもちろん、働いているのか、どうして家で介護ができないのか、医者はなんと言っているのか、などなど)を詳しく聞かれます。

対応してくれるスタッフは、施設の事務員さんではなく、ケアマネさんである場合が多かったです。

私が気をつけて行ったことは……

行く先々で、「腰を低く、丁寧な態度(横柄は絶対ダメ)、謙虚な態度で接する」こと。

「すみません。急に母がこんなことになってしまって、どうしていいのかわからなくて困っています。教えてください」
と、素直に伝えました。

すると、ほとんどの施設で、特養の申し込み用紙をくれたり、書き方を教えてくれたりと、丁寧に対応してくれます。

もちろん、自分たちの施設のアピールもあるでしょうが、それ以上に有益なアドバイスをくれました。

なかには、「こんな書き方をすると、好印象ですよ」と教えてくれる人や、認知症の人に対する接し方を教えてくれた人も!

そして、できる限り、『あえて』当時、小学4年生だった三男を連れて行きました。
「うちには、息子が3人いて、まだ子育てが大変」アピールです。

三男にも、「大人しくしてなくていいよ〜、好きにしていて」と、ちょっとやらせ感はあるかもしれませんが(笑)。

主たる介護者の私には、「親の介護以外にも、仕事や子育てなど、まだまだ大変なことがあるの」というアピールです。

現状で親の面倒を見ることができないという印象づけをするのが大事ですから。
面倒を見る家族が、全員、企業に就労していると、わかりやすいそうです。

うれしいのは、以前はポイント外だった、パートや育児も加算対象となったことです。

ポイント制といっても、誰を入所させるかの最終的な決定権は、施設側が持っています。
なので、いかに、その施設を気に入っていて、入所を熱望していて、入所後も問題を起こさない人である、と印象付けることが
重要です。

だからこそ、謙虚に丁寧な態度で、好印象を与える必要があるんです。

ちなみに「問題を起こさない」とは、「この人、厄介だわ〜、入所したらクレーマーになりそう、要望が多そう……」など、施設にとって面倒な人であるという印象をもたれてしまうこと。

丁寧で謙虚な態度で面接に来ているけれど、あれこれとリクエストを言っていると、面倒な人と思われて、優先順位が下がる恐れがあるかもしれません。

5、お金は支払えるよ! アピール

特養=金銭的に困っている人のための施設

と、以前の私は思っていましたが、
特養も、経営するためには、きちんと毎月お支払いをしてくれる人がほしいのです。
ですから、「お金に困っているから特養に入りたい」は、NGワードです。

ちゃんと、「毎月、お支払いできますよ〜」が、良いのです。

6、一人暮らしであること

一人暮らし、老人だけの家庭だと、介護困難と思ってもらえ、ポイントアップ。もし、ご両親と一緒に住んでいるかたは、できれば、戸籍を自分たちとご両親と、分けた方がポイントアップするようです(単独戸籍など、やり方は区役所に相談)。

7、申し込み用紙を記入する際のポイント

最初の方に、本人や家族の状況の欄があります。

チェックするだけでなく、文字で書くことが大切です。

具体的に、わかりやすく、丁寧に、どれだけ特養に入りたいのか!!

嘘をついたり、誇大な表現を使ったりする必要はありませんが、誠意をもってきちんと書くことが大切です。

また、最後の「住居が介護に適さない」という欄。

もし、家の中に段差があれば、「構造上、介護に適さない」にチェックが入れられます。

家が狭小かどうかも個人の感覚なので、チェックが入れられるかも。

たくさん、たくさん、見て回りましたが、本当に入れたかった施設は、1箇所だけ。

あと、「まあいいかな〜」というところが1箇所。

実際にその2箇所だけを記載して申請しました。

「特養に入るコツ」と検索すると、「記入マックスである5箇所、全て申し込みましょう」と書いてあるところがほとんどで、私は、その2箇所以外は、どうしても納得がいかなかったので、一か八かの賭けではありましたが、2箇所だけを記入しました!

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まとめ<私の申請書の書き方>

1、母が独居である = 希望の施設が<我が家から車で10分>だったので、その施設に入るために、我が家に住民票を移し、単独戸籍を取得して、独居(一人暮らし)とする

2、私自身は、仕事あり、息子3人あり介護できない

3、実弟は独身で離れた場所で仕事あり介護できない

4、家族の状況をチェックする欄の下に、

<※上記を記入した上で、現在の本人、家族の状況を具体的にご記入ください>というフリースペースがあります。

チェックしたら終わりではありません。そこにしっかりと、「介護できない理由」を記入しました。嘘をつく必要はありませんが、「どれだけ介護できないか」をしっかりと書いた方が良いと思います。

5、家の状況をチェックする欄 

住居が介護に適さない。(□狭小 □環境劣悪 □構造上介護に支障 □立ち退き・住居が無い)

我が家は道路から玄関までが7段ほどの階段、玄関が30センチ上がってる、家の中に段差がたくさんある、築年数も40年、ということで、

□狭小 □環境劣悪 □構造上介護に支障 この3つにチェックを入れました。

この辺りは、本当に主観なので、なんとでも書けるかな、と思いました。

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<<申請1回目の結果>>

結局、第1希望の施設は通りませんでしたが、第2希望に、一発で入ることができました。

第1希望が、あまりにダントツに気に入っていたので、本当に第2希望でいいのか、すごく悩みました。

そんなとき、お世話になったケアマネさんが
「これも、ご縁じゃないですか?」
と言ってくれました。

もし、第1希望を待つ場合は、その間、一時的に別の老健などに一時的に入ってもらう必要があります。

「度重なる引っ越しで本人に負担になる」と考えて、
最初にお声がけくださった施設に入所を決めました。

ここに記載されている内容はあくまでも個人の体験であり感想です。

<プロフィール>なかお わかこ
1965年生まれ。 家族は、夫と息子3人、犬2匹。弟。 主婦であり、酵母パンやマクロビ料理主宰、ウェブサイトの運営など。 父 脳内出血後、半植物となり、1年間の病院での療養を経て、69歳で他界(2004年)。 母 軽度のアルツハイマー型認知症発症。脳内出血で病院に入院。特養を経て2021年自宅で看取る。

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