自立して生活されていたお母さまが自ら介護付き有料老人ホームに入居するのを見守られたというK.H.さん。一戸建ての自宅の老朽化が進み、リフォームなどに費用がかかるよりはホームにお金をつかおうという判断だったそうです。
現役時代の潤沢な預貯金が、スムーズな施設入居を実現<介護付き有料老人ホーム>
【体験者プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<居住地域>奈良県
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2022年2月~
<話を聞いたかた>子ども
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母です。
入居を決めた時期と理由
母が所有する一戸建て住宅が、築40年と老朽化していました。バリアフリーで建築したわけではなかったので、住み心地がだんだん悪くなっていて、段差などで躓くことも増えてきました。
家のメンテナンスが必要になったり、修繕費も莫大にかかったりするのであれば、介護付き有料老人ホームにお金を使って、安心した老後の生活を送る方がよいと、母は介護付き有料老人ホームに入居しようと決意したようです。
娘たちにあまり老後の世話になりたくないという気持ちも強く、そのことが入居のきっかけにもなったようです。
施設の探し方
母は「介護付き有料老人ホームに特化して探していきたい」と希望していました。母は自分でパソコンを操作することも、スマートフォンを使いこなすこともできません。そこで、娘の私に介護付き有料老人ホームを探してほしいと依頼してきました。
施設探しでは、主にネット検索で関西一円を重点的に調べ上げていったり、最近新たに建設された老人ホームを中心に探したりしました。ネットの介護付き有料老人ホームの比較サイトを利用し探すことで、効率よく理にかなった施設を探せたと思います。
入居の手続き
母は学校の教員をずっとしていたので、退職金なども非常に多く、かなりの金額の預貯金をしていました。
通常、高級な介護付き有料老人ホームに入居する際は、その費用の捻出や借り入れなどに手間取って順調に入居に至らないと聞いていますが、母の場合は3500万円を現金にて即金で支払い終え、入居までのステップは非常にスムーズなものでした。
入居前には、所有する自宅の不動産査定や売却手続き、断捨離による終活で身辺をきれいに整理し、入居に至りました。母は非常に段取りがよく、入居の際も娘の手を煩わせたくないと、一人で率先して入居の準備をしていました。
入居して良かったこと
老朽化する一軒家に母一人を残していたころ、私は「台所から出火しないか、階段を転げ落ちて骨折しないか」、いつも母のことが頭の片隅にあって心配な日々を過ごしてきました。
ですが、介護付き有料老人ホームに入居させて、出火や転倒、誤嚥性肺炎などの心配から、娘の私自身が解放されたのが一番良かった点だと言えます。
医師や看護師さんも巡回したり、健康管理をしてくださったりしているので、私は毎日安心して生活することができるようになりました。食事なども栄養に配慮して作ってくださり、助かっています。
入居して大変だったこと
やはり毎月かかる月額費用20万円が非常に大変だという気がします。
母は残りの預貯金がいくらあるのか、娘の私には一切明かしてはくれません。母が何歳まで生きるかわからず、90歳や100歳となると月額費用の20万円の捻出が本当に大変で難しくなるのではないかと、その点が不安となっています。
母の頭もいつまでもクリアとは限りません。認知症になったとき、母が自らきちんとお金を管理して月額費用をきちんと払えるのかも不安です。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設に入ることは、高齢になったら誰もが検討しなければならないことでしょう。
ただ、それには相当のお金がかかるということは、皆さん百も承知だと思います。老後に安心して充実した生活を送るには、介護付き有料老人ホームの入居が必要で、一人あたり4,000万円ぐらいの預貯金が必要になると思います。
それには現役時代に先を見据えて、しっかり貯金をしたり節約して生活していくことが大事だと思います。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
<目安>編集部調べ
部屋タイプ46.31㎡(1名入居の場合)
●初期費用:入居一時金(3,050万円 〜 19,010万円)+健康管理費550万円(税込)
●月額利用料:管理費(125,400円(税込))+食費(75,600円(税込))
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