認知症の人の権利や国の責務などを明記する「認知症基本法」の制定に向けた検討を、超党派の議員連盟が進めている。
今週、議連は27日の総会で法案の骨子を公表。30日には関係者を招いてヒアリングを行った。田村憲久元厚生労働相(議連会長代行)は挨拶で、「法案を今国会へ提出できるよう努力したい」と意欲をみせた。
骨子では法案の基本理念として、例えば次のようなことを掲げている。
○ 全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人としてその尊厳を重んぜられるとともに、その自発的意思が尊重されるべきこと。
○ 全ての認知症の人が、社会の対等な構成員として、その有する能力に応じて自立した日常生活を営めること。
○ 全ての認知症の人が、社会のあらゆる分野の活動に参画する機会の確保を通じて、その能力を十分に発揮できるようにすること。
こうした基本理念に沿った施策を計画的に推進することを、国や自治体の責務として明記。医療・介護・福祉サービスの担い手の責務にも触れ、「良質かつ適切なサービスの提供に努めなければならない」としている。
ただ、法案の充実を図るための要望が関係者から多く寄せられているほか、例えば予防の扱いなどまだ合意形成に至っていない要素もある。今後、議連は条文作成などを目指すが国会会期中にどこまで具体化できるかは不透明だ。
提供元:介護のニュースサイトJoint