60万戸の供給を目指すサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の現状

60万戸の供給を目指すサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の現状

高齢者向けの住宅として、近年数を増やしているのが、いわゆる「サ高住」と呼ばれる「サービス付き高齢者向け住宅」です。平成23年(2011年)に創設されて以来、元気なシニア向け住宅として、国土交通省と厚生労働省が財政的に支援・普及を促進しています。

具体的には、国が住宅1戸あたりの整備費に対して、新築で上限90~135万円、改修でも上限180万円の補助金を出すといった、手厚い支援措置が取られており、どんどん数が増えているのです。そして、国は2025年までに60万戸の供給目標を設定しています。

そこで、実際の数を見てみると、令和元年(2019年)11月末の時点で、全国249,597戸、棟数は7,468棟となっており、創設から約8年間で約25万戸と、短期間で一定程度普及したと言えるでしょう。ただ、前年の平成30年(2018年)12月末は、全国で234,971戸、棟数は7,193棟なので、1年間の間に14,626戸の増加となっており、増加の速度はやや鈍化していると言えます。

もし今後も同じような増加数で推移すると、2025年の60万戸供給はかなり難しい状況と言えそうです。また、補助金もそろそろ終わるのでは、とも言われ始め、さらに増加数は減ることになるかもしれません。

なお、サ高住の「サービス」は、入浴や排泄といったいわゆる「介護サービス」ではなく、「状況把握(安否確認)及び生活相談のサービス」と定義されていますが、実際には「介護サービス」を提供しているサ高住も増えてきています。また、本来は比較的元気な高齢者向けの住宅として想定されていたものの、要介護度の低い認知症の高齢者の入居者が多くなり、職員の負担増といった問題点も指摘されています。

また、地価が安いほど高齢者人口に対するサ高住の供給が多い傾向にあるほか、郊外部や公共交通機関、医療機関へのアクセスの悪い地域に立地しているサ高住も一部存在し、必要なサービスを受けにくかったり、利便性が低下したりといった恐れも。そのため、市町村のまちづくりや医療、介護サービスとの適正な連携な視点から、サ高住の立地の適正化が課題として挙げられています。

参照
一般社団法人 高齢者住宅協会 「サービス付き高齢者向け住宅登録状況(令和元年11月末時点)

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