政府は20日、介護サービスの利用者負担の引き上げを見送る方針を正式に決めた。
《 財務省での閣僚折衝|12月20日 》
現役世代の負担増を抑制したり、制度の持続可能性を高めたりするために検討してきたが、物価高騰の長期化などを受けて断念する。
鈴木俊一財務相や武見敬三厚生労働相らが協議し、「2027年度の前(第10期計画期間の開始前)までに結論を得る」ことで合意。高齢者の金融資産の反映、よりきめ細かい負担割合の設定などを検討することも確認した。
武見厚労相は折衝後の会見で、「制度の持続可能性を考えなければならない。ただ、国民に負担増をお願いすることは簡単ではない。社会保険の負担増はいつも慎重でなければならない」と説明。「応能負担をお願いする場合、その能力をどういう基準で捉えるのかという整理を極めて精緻・公平に行わなければならない。その時々の経済状況によっても条件は大きく変わる」と述べた。
20日の大臣折衝ではこのほか、一部の介護老人保健施設と介護医療院に多床室の室料負担を導入する方針も決められた。
老健は「その他型」「療養型」、介護医療院は「Ⅱ型」が対象。政府は2025年度中を目途に、新たに月8千円相当の徴収を始める考えだ。
提供元:介護のニュースサイトJoint