「ケアプランAIは倫理面が最重要。ケアマネは意見を」

「ケアプランAIは倫理面が最重要。ケアマネは意見を」

厚生労働省の介護支援専門官も務めたキャリアを持つ国際医療福祉大学大学院の石山麗子教授が2月13日、東京ビッグサイトで開催されている介護ソリューションなどの展示会「CareTEX2020」で講演した。
【Joint編集部

テーマは「ケアマネジメントの未来はどこへ向かうのか」。ケアプランの作成をサポートするAIとの向き合い方が話の中心となった。

 石山教授はケアプランAIについて、ケアマネジメントの質の向上や業務負担の軽減などを大きく前進させるポテンシャルを秘めていると説明。イノベーションを目指す企業や行政などの動きを前向きに評価しつつ、「テクノロジの進歩や社会の変化などに応じてケアマネも変わっていく必要がある」と呼びかけた。 

そのうえで、「ケアプランAIで最も大切なのは倫理的・哲学的な側面だ。そうした配慮が絶対に欠かせない」と強調。「技術者や研究者だけで開発を進めるのではなく、利用者を真ん中に置いた現場の価値観が必ず入らなければいけない。ケアプランAIは技術者と現場が一緒になって作らないと作れない」と述べた。続けて以下のように語っている。 

「だからこそ、現場のケアマネがしっかりと意見を表明していく必要がある。開発の段階で、出来上がったものを実際に使う段階で、本当に有効なのか、有害ではないのか、間違っていないのか、薬の治験のように確かめないといけない。特に倫理的・哲学的な視点は絶対に忘れてはいけない」

石山教授はこのほか、いわゆる“ケアマネ不要論”について「多くのケアマネが何を望むかが重要だ。もしも、自分たちの仕事がただ楽になるようにAIなどを使っていくのだとしたら、やがてそれに取って代わられるかもしれない」と指摘。「一方で、常に利用者の尊厳を守ることを中心に考えて行動していけば、AIには決して代替できない部分が浮き彫りになるだろう。ケアマネが自ら新しい扉を開いていくかどうか、それによってケアマネの未来は変わってくる」と語った。

記事提供:介護のニュースサイトJoint

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