グループホーム、待機者が増加? 約3割で5人以上の高齢者が入居待ち

グループホーム、待機者が増加? 約3割で5人以上の高齢者が入居待ち
《 介護報酬改定検証・研究委員会 9日 》

以前と比べてかなりニーズが高まってきているのではないか − 。2020年10月9日に開催された介護報酬に関する専門家会議ではそんな声があがった。

厚生労働省は専門家会議で、グループホームの現場の実態を探るべく今年度に行ってきた調査の結果(速報値)を公表した。

第20回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会資料

昨年11月時点で待機者が「いる」とした事業所は67.0%。待機者数は「5人以上」が28.8%、「10人以上」が14.8%にのぼり、「16人以上」と答えたところも7.1%あった。

こうした結果を受けて、委員を務める専門家からは実態を精査するよう厚労省に促す声があがった。

特養の入所が原則として要介護3からしか認められないなか、行き場を探す要介護2以下の高齢者やその家族がグループホームに頼るケースが増えている可能性を、複数の委員が指摘。「1人暮らしだと軽度の認知症で生活が立ちゆかなくなる。そこでグループホームが出てくる」「ケアマネジャーや医療機関が要介護1、2の方らにグループホームを勧める機会も増えている」といった認識が示された。

また、「待機者が置かれている状況をしっかり把握しなければいけない」「グループホームの待機者の実態はこれから十分に検討すべきテーマになる」といった意見も出た。

この調査は、今後の制度改正、報酬改定をめぐる議論に活かす目的で実施されたもの。全国7000のグループホームが対象で、43.0%の3008事業所から回答を集めたという。

それによると、昨年11月時点のグループホームの入居率は平均で97.5%。待機者がいる事業所の待機者数は、平均で6.87人にのぼっている。

情報提供元:介護のニュースサイトJoint

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