
還暦を過ぎ、息子夫婦との同居が始まったころのことです。新しい暮らしに戸惑いはありましたが、家族なのだから、少しずつ歩み寄っていけると思っていました。ところがある日、私にとって大切なものを巡って、思いがけず価値観の違いを突きつけられる出来事がありました。
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息子夫婦との同居が始まって
私が還暦を過ぎたころ、息子夫婦が同居を始めました。最初は生活リズムの違いに多少の戸惑いはあったものの、大きな問題はなく過ごしていました。
家の中の使い方についても、息子夫婦なりに暮らしやすくしようとしているのだろうと感じていました。私自身も、若い世代には若い世代の考え方があるのだと思い、なるべく口を出し過ぎないようにしていたつもりです。
そんなある日、外出先から帰宅した私は、居間に入って思わず足を止めました。そこにあるはずの、亡き母の仏壇が見当たらなかったのです。
亡き母の仏壇が別の部屋へ
驚いて息子に尋ねると、「嫁が掃除しやすいように動かした」と言われました。確認すると、仏壇は別の部屋に移されていました。
私は一瞬、言葉が出ませんでした。亡き母の仏壇は、私にとってただの家具ではありません。毎日手を合わせ、母を思い出す大切な場所でした。それを相談もなく移動されていたことに、強いショックを受けました。
嫁に理由を尋ねると、「ここにあると生活動線の邪魔になるので、こっちのほうが合理的です」と悪気のない様子で言われました。たしかに、家事のしやすさや掃除のしやすさを考えてくれたのかもしれません。
それでも、仏壇は、家族にとって特別な存在です。私にひと言もなく移動されていたことに、悲しさと怒りが入り混じった気持ちになりました。
静かに伝えた私の思い
その場で感情的に責めてしまえば、余計に話がこじれてしまうと思いました。そこで私はできるだけ落ち着いて、「仏壇は家族の心の拠り所だから、勝手に動かさないでほしい」と伝えました。
嫁は少し驚いた様子でした。もしかすると、私がそこまで大切に思っているとは考えていなかったのかもしれません。
しばらく話し合った結果、仏壇は元の場所に戻すことになりました。大きな言い合いにはなりませんでしたが、私の中には、あの日の出来事が今でも強く残っています。
まとめ
この出来事を通して、家族であっても価値観の違いは必ずあるのだと実感しました。相手に悪気がなかったとしても、自分にとって大切なものは、きちんと言葉にして伝えなければわからないこともあります。特に家族の思い出や心のよりどころに関わることは、事前に話し合うことが大切なのだと感じました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐藤信一/60代男性・無職
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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